熱烈なG党として知られる歌舞伎俳優の松本白鸚(82)、松本幸四郎(52)親子が3日、それぞれスポーツ報知の取材に応じ、長嶋茂雄さんを追悼した。

 白鸚は突然の悲報に驚きつつ、監督時代の思い出を明かした。

家族で東京ドームを訪れた時のこと。「試合前に長嶋さんにお会いし、『今日の試合は(阪神の)藪と(巨人は)宮本です。面白い投げ合いですよ』とおっしゃったら、コーチの方が『ピッチャーは桑田、桑田』と言って来られ、監督は『あ! そうか』と。懐かしいエピソードです」。周囲を和ませる明るい笑顔が印象に残っている。

 現役時代はもちろん、引退後も情熱的な長嶋さんから勇気をもらっていた。「引退後も、病気になられてからも、野球への情熱が消えることなく度々、球場に姿を見せてくださり、選手たちにどれだけ励みになっていたことかと存じます」としのんだ。

 幸四郎は「地獄の伊東キャンプ」「中日との10・8決戦」「メークドラマ」「メークミラクル」など印象的なフレーズを振り返り「周りを巻き込む力がすごい」と長嶋さんのリーダーシップに感心。「文句なしの成績を残して、スターとしての輝きがあり、勝負への厳しさも持っていた。とてつもない努力をしたはずなのに、それを表に見せないのもすごい」と敬意を表した。

 ユニホームに身を包んだ雄姿が脳裏に焼き付いている。「監督になっても、姿勢よくピンと背筋を伸ばして、ストッキングの上げ方も現役時代さながら。

本当に格好良かった。これからも伝説は続いて、もっと大きな存在になるのでは。同じ時代に生きることができて幸せだし、僕の誇りです」と思いは尽きない。

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