米国在住のお笑いタレント・渡辺直美が、日本で13年ぶりに行う単独コントライブ「渡辺直美コントライブ」(18日~22日、東京・IMM THEATER)へ向け、このほど取材会を行った。

 ”NAOMI“が日本の舞台に立つ。

日本では13年ぶりの単独コントライブ。ゲストには、若手時代から親交深いしずるの池田一真、ジャングルポケット、スパイク、ネルソンズ、横澤夏子が登場。渡辺のピンコントに加え、ゲストとのスペシャルグループコントも行う。

 YouTubeなどで渡辺の活動を見てきたファンにとっては、渡辺のネタを見るのは初めての体験となるかもしれない。「本当はずっとやりたかった」という日本でのコントライブ。「お笑いから抜けてたつもりは全くないですけど、ファッションの仕事をして、モデルの仕事をして、演技の仕事をして、『よし、お笑いの仕事も』ってなった時、やっぱりもっとここ(お笑い)を強めたいなって思ったのかもしれないです。『私、ほんとお笑い好きじゃん』って。13年たって、大人になった自分がどういうコント作るのかっていうのもすごく興味あったし…ちょっとお笑いの向こう側も見たいなって感じかもしれないです」と渡辺の胸は高鳴っている。

 会場チケットは即完。現在は配信チケットを販売中。初タッグとなる東京を代表する構成作家のオークラさんを演出に迎え、ネタは8本ほど用意している。「自分でiPadで(手書きで)バーってネタを書くんですけど、それをオークラさんに見せるのがちょっと恥ずかしくて。

『これなんて書いてあるの?』って聞かれたりして(笑)いつもコントってどうやって作ってたっけ?と思いながらネタを書いてました」

 19年から東京とニューヨークの2拠点生活を開始。21年4月からは活動の本拠地をニューヨークへ移した渡辺。取り巻く環境も、生活スタイルも変わり、ネタ作りにも変化が生まれた。「昔、コントを作ってた時は、その時に出会ったこととか、経験とかをコントに落とし込んでいたんです。変なことやってる人を見つけたらその人をコントにするって感じでしたけど。今アメリカで生活してるんで、アメリカの変な人をやっても、日本ではあるあるにはならない。ヘロインでおかしくなっている人とか…ちょっと難しいじゃないですか」

 日本での”あるある“的感覚をなくさないために日々吸収していたのはXのトレンドだ。「ニューヨークでも、朝起きたら必ずXのトレンドを見て、それから一日を過ごすようにしていました」

 最近のXのお気に入りは「格付けミーム」。擬人化された動物が地下鉄内で暴れ、格付けされるショート動画。「あれマジで面白いですよね。ヤンキーが多い県みたいな感じで、最後、茨城が出てきて。私、地元が茨城なんで、なんか誇らしいみたいな(笑)あれが一番、私の中では平和で面白かったです」

 米国に行って、成長したこともある。

「私、今めちゃくちゃ自信あるんですよ」と渡辺。それは、「おもしろさ」への自信ではなく、人としての自信だ。「人としてめちゃくちゃ大きくなったなっていうのは、すごい感じています。例えばですけど、もともとめちゃくちゃ緊張しいで、うまくできないことはできるだけ避けるようにしてたんですよ。でも、『やらないと何も始まらないよね』っていうのが、アメリカのベースだったので。心の準備がなくても、『いいじゃん、今やっちゃいなよ!』って感じで、いけいけ!って前に出される。それで、『いつでもレディ』っていう言葉を覚えたんです。その言葉で勇気を出せるようになりました」

 移住から4年。米国ではスタンダップライブも行うなど、活動の幅を広げている。英語力も急成長か。渡辺は「小3(レベル)から小5ぐらいにはなりました。だから、成長はしてますね」と笑った。

今年から発音に特化した先生、文法の先生、英会話の先生と英語の先生を3人付けているという。「現時点で伝えたいことの2%ぐらいしか言えてないんです。やっぱりこれまでは愛嬌(あいきょう)とか表情とかでどうにかしてきちゃった部分があるんですよね。それじゃあダメだなって今年、思って」

 米国で着実に、そしてダイナミックに歩を進めている。これから、米国と日本、両国の間でどのように活動していくのだろうか。「アメリカでも仕事して、日本でも仕事したいっていうのが私の一番の理想です。なので拠点も半々でできたらいいなぁっていうのがありますけど」と理想を語りつつ、「でも今はやっぱアメリカで頑張んなきゃいけないと思うんです。『渡辺直美ならアメリカでなんかしてくれるかも』と思って応援してくれている日本の皆さんの期待にしっかり応えられるような結果がアメリカで出たら、日本に戻ってくる可能性はあるかもしれないですね」と覚悟を語った。

 「やっぱりお笑いは、世界を一つにしてくれるものなんだなっていうのを、改めて海外に行って感じました」。取材会の最後には、「皆さんと写真撮りたいんですけど!」と集まった報道陣との記念撮影を提案した渡辺。米国で磨きのかかった太陽のような明るいオーラはたしかに、「直美なら何かをしてくれる」と思わせる力があった。(瀬戸 花音)

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