◆プロボクシング バンタム級10回戦 那須川天心―ビクトル・サンティリャン(6月8日、東京・有明コロシアム)

 WBC世界バンタム級1位の那須川天心(帝拳)が6日、東京・後楽園ホールでWBA同級6位ビクトル・サンティリャンとの世界前哨戦へ向けた公式会見を行った。黒髪にイメージチェンジした天心はテーマを「宿命を燃やす」と掲げ、「みんなを熱狂させる」と意気込んだ。

 世界前哨戦のテーマは「宿命を燃やす」だ。天心は「誰かしら必ず宿命を持っている。自分の宿命は、戦うこともそうだが、戦ってみんなを巻き込んで、熱狂させること」と力を込めた。ボクシングデビューから2年2か月。試合を重ねるごとに「めちゃめちゃいろんな人から応援されている。僕の宿命は、そういうことかな」と感じているという。「一人一人燃やすものは違うと思うが、今回必ず勝って、宿命を燃やしていきたい」と必勝を誓った。

 来たるべき世界挑戦に備え、ボクシングでは初めてサウスポーと対戦する。あらゆる距離で戦えるように、課題だった接近戦も強化した。「ボクシングの幅、手札を増やしてきた。一日一日、自分が強くなっていると改めて分かった」と進化を実感している。

 会見には、前日(5日)に染めた黒髪に、右側頭部に「天」のバリアート(髪を刈って模様を描く)を施した新ヘアスタイルで登場した。

「矢沢永吉の曲にあるように『黒く塗りつぶせ』ということで、黒く染めた。コスチュームも映えるように。『天』は(自身の)グッズとの連動も意識して、みんなの思いも乗せているよ、とそり込みましたね」と説明。「若くなったね、と周りから言われます」と笑顔を見せた。

 2月のボクシング転向6戦目で前WBO王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)に完勝し、「ずっと(世界王座は)無理と言われていたのが、いけるんじゃないかと、いろんな声が変わった」と実感した。「それが今回で確信に変われば。『飛び級』で来たわけではなく、しっかりと積み上げてきた自負がある。いつ(世界)挑戦してもいいと思われるぐらいの試合をしたい」。11月にも計画される世界戦への扉を開くため、「宿命」のリングに上がる。(勝田 成紀)

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