シナー、ジョコビッチを破って失セット0で全仏オープン決勝へ


「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス準決勝が6月6日に行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)が第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/同6位)を6-4,7-5,7-6(3)で下して、同大会で初めての決勝へ。グランドスラム3大会連続優勝に王手をかけた。


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23歳のシナーは、今年1月の全豪オープンで優勝したものの、禁止薬物が検出されたことで3か月の出場停止に。前哨戦「BNLイタリア国際」(イタリア・ローマ/ATPマスターズ1000)で復帰し、準優勝して今大会を迎えた。

初戦でアルトゥール・リンデルクネシュ(フランス/同75位)をストレートで下すと、2回戦でリシャール・ガスケ(フランス/同166位)、3回戦でイジー・レヘチカ(チェコ/同34位)、4回戦で第17シードのアンドレイ・ルブレフ(同15位)、準々決勝でアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン/同62位)を破って4強入りを果たした。

決勝への大事な一戦の相手は、史上最多25度目のグランドスラム制覇を狙うジョコビッチ。昨年の全仏オープン後から世界1位を維持しているシナーと、世界1位通算在位411週の記録を持つジョコビッチの新旧王者対決となった。直接対決では4勝4敗で、2023年のデビスカップ・ファイナル以降、シナーが3連勝している。

第1セット、ジョコビッチがハードヒットしてテンポの速い攻撃を展開。しかし、シナーも簡単に崩れず、跳ね返して逆にプレッシャーをかける。第6ゲームでシナーが最初のブレークに成功すると、ジョコビッチも流れを引き戻そうと先に仕掛けにいくが攻略することができないままシナーが6-4でセットを奪った。

穴のないテニスでブレークポイントを握らせずにセットを奪ったシナーに対し、第2セットではジョコビッチもギアを上げてスーパープレーを連発する。1ブレーク差を追いかける4-5では、2回戦以降でキープしていたシナーのサービスゲームを破ったものの、直後のゲームでミスが重なってシナーが再びリード。7-5でシナーがセットを連取する。


両者一歩も譲らない拮抗した試合展開。2セットアップしたシナーがキレのあるストロークでウィナーを奪えば、追いかけるジョコビッチもネットプレーを増やしてテンポよくポイントを獲得する。セット終盤まで互いにブレークポイントが訪れながらも活かせず、サービスキープが続いてタイブレークに突入。重要な場面で、ジョコビッチにミスが重なり7-6(3)と、シナーが接戦を制して全仏オープンでは初めての決勝へ。2024年全米オープンからグランドスラム3大会連続優勝にあと1勝とした。

決勝の相手は、大会連覇を狙う第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同2位)。ツアーにおける対戦成績は、アルカラスの7勝4敗となっている。

なお、クレーコートではアルカラスの2勝1敗。2022年7月のATP250ウマグ決勝ではシナーが勝利し、昨年の全仏オープン準決勝と今年5月のATPマスターズ1000ローマ決勝はアルカラスが勝利している。
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