女性初！羽生善治九段後任の将棋連盟新会長に清水市代女流七段「私を選んだのは挑戦だと思う」
女性として初めて日本将棋連盟会長となり、記者会見する清水市代女流七段 画像（1枚）

　日本将棋連盟は６日、東京都内で棋士総会と理事会を開き、今期限りで退任した羽生善治会長（５４）の後任に女流棋士で常務理事の清水市代女流七段（５６）を選出した。同連盟の会長に女性が就任するのは初めて。

任期は２年。

　この日午後に行われた棋士総会で新理事が決まり、その後の理事会で会長への就任が決まった。清水は「光栄で身に余る大役。将棋連盟にとって私を選んだのは挑戦だと思う」と感謝。一方で「最初で最後とならないように、女流棋士の活躍が増えればうれしい」と女流棋界の発展も願った。

　新会長としてのテーマに「継承」と「挑戦」を挙げた。「この両輪を力強く回していくことで、より多くの方々に将棋の魅力をお届けし、将棋界全体の活性化へと発展させていきたい」と意気込んだ。

　この日の棋士総会では、女流８大棋戦の１つ・白玲戦の５期獲得（クイーン白玲）で棋士に編入できる案が新たに承認された。「私の期待というよりは、皆さんの期待が募っていくのではないかと楽しみにしています」。棋士になるには養成機関の奨励会を突破するか、プロ編入試験の合格が条件だったが、女流棋士にとって新たな道が開かれたことになった。

　昨年、女流棋士になってから４０年を迎えた。女流名人１０期など歴代２位の計４３期の女流タイトルを獲得。

１７年には女性で初めて連盟の常務理事に就任するなど女流棋士界を長くけん引してきた。

　「感謝を込めまして、将棋界のお役に立てますよう努めていきたい」と話し、「引っ張るというより、理事と気持ちを一つに進んで参りたい」と続けた新会長。昨年創立１００年を迎えた将棋連盟が、新たな船出を迎えた。

　◆清水　市代（しみず・いちよ）１９６９年１月９日、東京都東村山市生まれ。５６歳。故・高柳敏夫名誉九段門下。８歳で将棋を始め、８５年に女流棋士に。９６年に史上初の四冠（女流名人、女流王位、女流王将、倉敷藤花）を独占し、当時は「女・羽生」の異名を取った。通算獲得タイトルは４３期。居飛車党。趣味は茶道。

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