◆車いすテニス ▽全仏オープン(7日、フランス・パリ)

 【パリ7日=吉松忠弘】車いすテニスの2024年パリ・パラリンピック2冠で、世界ランキング1位の上地結衣(三井住友銀行)が、5年ぶり5度目のシングルス優勝を果たした。同2位で、パリ・パラ準決勝の再現となったアニク・ファンクート(オランダ)との決勝で、6-2、6-2のストレート勝ち。

4大大会区切りの通算10度目の優勝を全仏3度目の単複2冠で飾った。5度目の全仏優勝はディーデ・デフロート(オランダ)と並んで歴代2番目の多さとなった。

 最後はあっけない相手のダブルフォールトだった。それでも、この試合、初めての満面の笑みで、上地は勝利を祝った。「とてもハッピー。でもパラリンピックの決勝の時のような、なんか本当に終わったのかなみたいな(感じ)。けがをしていたので驚いている」。パラ女王貫禄の単複2冠だった。

 昨年11月からの左手首の腱鞘炎、2週間ほど前の左手のひらの痛みのため、1回戦後は「全仏も欠場かと思った。ここにいるだけで奇跡に近い」と話した。しかし、協会派遣の2人のトレーナーの治療を受けながら「疲れがたまらないようにケアしてきた」。

 7月8日に開幕するウィンブルドンには、4大大会とパラリンピックを合わせて生涯5冠がかかる。

「今年の第一目標。今回、大きなけががなく終えられたので」。すでに、今年は全豪も制し、「久しぶりに2大会、4大大会で優勝している」と、手応えは十分だ。

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