◆プロボクシング ▽WBC&IBF世界バンタム級(53・5キロ以下)王座統一戦12回戦 WBC王者・中谷潤人―IBF王者・西田凌佑(6月8日、東京・有明コロシアム)

 前日計量が7日、東京・後楽園ホールで行われ、バンタム級2団体王座統一戦に臨むWBC王者・中谷潤人とIBF王者・西田凌佑は、ともに一発でクリアした。

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◆山中慎介氏ジャッジ 【中谷6―4西田】これまでの実績を考慮して中谷有利と予想するが、はっきり言ってこの勝負は蓋を開けてみなければ分からない。

というのは、西田の実力を私は高く評価しているからだ。相手の長所を消す動きができ、見た目以上にやりづらさがある選手だ。

 中谷は長いリーチを生かして遠い距離から相手を攻め、ラウンドを重ねるごとに距離を縮めて仕留めにいく。遠くても、近くても苦手な距離はないが、一番強さを発揮するのは相手が遠い距離にいるとき。当然、西田も分かっていることで、西田はいかにして相手に接近して戦えるかが、カギになる。

 興味深い点は、この2人は高いレベルのテクニックを持ち、セコンドの指示通りに動けるボクサーだということだ。それぞれどういった戦略、戦術を立てて試合に臨むのか、チーム戦という見方も面白い。長身のサウスポーと似ている部分は多いが、パンチ力の比較では中谷に分がある。中谷がKOするイメージはあるが、西田のKOはあまり想像できない。だが、技巧派の西田が粘り、判定決着になるのではと思っている。西田は相手が強い選手になればなるほど強さを発揮する選手だ。中谷にとっては過去最強の相手といえるだろう。

(元WBC世界バンタム級王者・山中 慎介)

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