◆競泳 東京都選手権 最終日(8日、東京アクアティクスセンター)

 男子200メートルバタフライ予選が行われ、昨夏パリ五輪代表の本多灯(イトマン東進)が、スタートから15メートルの潜水距離制限違反で失格となった。水中動作でのミスで「楽に泳ごうと思っていたら(15メートルを)超えてしまった」と、反省の色を浮かべた。

 本多はパリ五輪、メダル獲得を目指したこの種目で予選落ち。大会後は約2か月の休養を取って復帰した。今季は3月の日本選手権で7位となり、7月の世界選手権(シンガポール)出場はならず。銀メダルを獲得した21年東京五輪でのデビュー以来、4年ぶりに夏の代表権を逃した。

 この大会は世界選手権代表が「JAPAN」として出場。本多は、代表を外から見る心境を「正直、悔しいという気持ちが大きい。今回の代表は若い選手が多くて、みんな和気あいあいとやっている姿を見ると、こういう環境で水泳をやりたかったというか、代表を経験したかったというのが、高校生や中学生の時の目標だったので」と語った。代表勢は4日から合宿を張り、近隣施設で寝泊まりして原則、集団行動。プールサイドには応援席を設けるなど、チーム力を高める策を練っている。本多が代表入りした時期は、コロナ禍などで結束力を高めることも難しかった。変化するチームの様子に、本多は「代表に居続けることは、そういった意味では楽しさもあったんじゃないかなと、今思うところはある」とした。

 28年ロス五輪に向け、再出発となった競泳ニッポン。

「楽しそうだと思う。すごく、チームという感じがする」と本多は言う。「1人1人がちゃんと目標に向かって、頑張ろうとしている姿が見えるので。やっぱり、日本のトップの代表というのは素晴らしいチームなんだなと。僕はそれを内から見ることが出来なかったので。外から見ていると、すごくいいチームだなと思う」と、刺激を受けた様子だった。

 今月末にはイタリア・ローマで行われるセッテコリ国際に招待され、出場予定。賞金レースでもあり、本多は「この夏は僕は大きな大会がないので。海外に行けて、モチベーションにもなる」と、意気込みを語った。現代表チームと一緒に泳ぎたいと言う気持ちも「はい、あります。すごくあります」とハッキリと答えた本多。来夏の代表復帰を目指す。

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