3日に肺炎のため89歳で死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんの通夜が7日に、告別式が8日に東京・品川の桐ヶ谷斎場「雲」で執り行われた。7日の通夜であいさつをした喪主の三奈さんが、長嶋さんと王さんの不思議な関係性を明かした。
長嶋さんは6月3日、朝6時39分に長い眠りについた。多くの人々が悲しみに暮れる中、わずか7時間後に一番に駆けつけたのが王貞治さんだった。
三奈さんは「会長、本当にありがとうございました」と感謝し「父は、王会長が巨人軍に入団されて初めて会った日のことを60年過ぎた今も鮮明に覚えているんです」と2人の繋がりの深さを語った。長嶋さんは上野駅で学生服を着た王さんが前から歩いてきた時に「なんて体が大きいんだ。目もクリクリ大きくて、すごい立派な体をしているな」という印象を持ったことを忘れていなかった。王さんの話になると、笑顔で話が止まらなかったそうだ。
三奈さんは「王さんとパパはライバルだったの?」と聞いたことがあると明かしたが、真っ先に「三奈ちゃん違うよ。王さんとパパはね、二人で一緒に巨人を強くしていこう。二人で一緒に日本一のチームを作るんだって、ずっと一緒に同じことを考えて、頑張ってきたんだよ。パパが打てなかった時は、王さんが打ったし、王さんが打てない時があったら、よし、今日は俺が打つぞ、そういう気持ちになるんだ」と、関係性を語っていたという。
しかし、不思議なことに長嶋さんが王さんの話をする時、笑顔だが目に涙が浮かんでいた。「涙ぐみながら笑顔で思い出話をする、そんな方は、父にとっては王会長だけでした」と三奈さんは明かし「本当に最後まで父に付き添っていただきましてありがとうございました」と感謝の思いを語った。