3日に肺炎のため89歳で死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんの通夜が7日に、告別式が8日に東京・品川の桐ヶ谷斎場「雲」で執り行われた。7日の通夜では、巨人前監督でオーナー付特別顧問の原辰徳氏(66)が弔辞を読み上げ、監督就任を告げられた瞬間のことを回顧した。

 1995年に現役を引退した原氏は99年から3年間、長嶋監督の下で1軍野手総合コーチ、ヘッドコーチとしてそばに立った。試合中も、移動のバスも定位置は長嶋さんの後ろ。「本当に全てを学ばせてもらいました」と感謝した。

 2001年9月27日の広島戦後、呼び出されて監督室に行くと、「いつもと違う雰囲気に圧倒されていると、『来年から原監督だ。おめでとう』と右手を差し出してくれました」と来季からの監督就任を告げられたという。原氏は「何が起きているかよくわからないままに、両手でその手を握り返しましたが、そのときの長嶋さんの手の熱さに足はガクガク震え、同時に責任の重さを感じました。あれから私なりに一生懸命駆け抜けてきましたが、監督に指名してくれた長嶋さんの期待に応えたことはできたでしょうか」と呼びかけた。

 続けて「監督を務めていた間は『どうだ、気分良くやっているか』といつも温かい言葉をかけてくれましたね。一言二言、忠告したいこともあったのかもしれませんが、そういったことは一度もありませんでした。私は『監督たるもの人に頼るなよ。自立するんだぞ』というメッセージを受け取っていました」と思いをくみ取っていたことを明かした。

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