那須川天心　世界前哨戦に大差判定勝利…世界初挑戦への最終関門突破も反省「こうもうまくいかないかー」
３－０判定勝利の那須川天心（右＝カメラ・堺　恒志） 画像（1枚）

◆プロボクシング　バンタム級１０回戦　〇那須川天心（判定３―０）ビクトル・サンティリャン●（６月８日、東京・有明コロシアム）

　ＷＢＣ世界バンタム級１位の那須川天心（２６）＝帝拳＝が、世界前哨戦でＷＢＡ６位ビクトル・サンティリャン（２９）＝ドミニカ＝に３―０の判定で勝ち、１１月にも計画される世界初挑戦へ、最終関門を突破した。リング上では「自分の課題である詰めきる、倒し切ることを目標として練習してきたが、試合になるとなかなかうまくいかない。

苦戦する姿を見せてしまった。課題がいっぱいありますね。こうもうまくいかないかー」と反省の弁が口をついた。それでも「何があっても負けないので。強い選手たちを倒していきたい。これからも一緒に生きていきましょう」と呼びかけた。

　群雄割拠のバンタム級に君臨する４人の日本人世界王者は、スイッチヒッターの堤聖也（角海老宝石）を含めれば全員がサウスポー。世界挑戦前に「やってみたい」と話していたサウスポーと、ボクシングでは初めて対戦したが、難なくクリア。世界への準備は整った。

　「ただのチャンピオンというのを目指してるわけじゃない」と語る天心は、接近戦からアウトボクシングまで、すべての距離での戦いを制する理想像を描く。「普通のチャンピオンなら、一点突破型でアウトボックスするだけで何となくはいけるとは思うが、やっぱり全てできないと意味がない」。距離を保つためのジャブではなく、自分からプレスをかけるジャブも習得。

「空間を支配する」ボクシングに磨きをかけた。

　天心は、世界王者４人を「四天王」としたＲＰＧゲームに例えて、自身の立ち位置を「今回の試合に勝つことは、ジムリーダーを全員倒して四天王と戦う権利を得る、全部バッジをそろえる、みたいなもの」と表現していた。スペシャルゲストとして来場したＷＢＯ王者・武居由樹（大橋）、ＷＢＡ休養王者・堤を含め「四天王」が勢ぞろいした有明コロシアムで、天心が世界への扉を開いた。

編集部おすすめ