◆プロボクシング▽世界バンタム級(53・5キロ以下)2団体王座統一戦12回戦 〇WBC王者・中谷潤人(6回終了TKO)IBF王者・西田凌佑●(8日・有明コロシアム)

 世界バンタム級王座統一戦は、IBF世界同級王者・西田凌佑(28)=六島=が、右肩脱臼により6回終了TKOでWBC世界同級王者・中谷潤人(27)=M・T=に敗れ、IBF王座2度目の防衛に失敗し、王座から陥落した。試合後は病院に直行。

今後はスーパーバンタム級に転向して2階級制覇を狙うのか、動向が注目される。

 西田はボクサー人生最大の難敵・中谷打倒を果たせず、無冠となった。下馬評不利だった無敗サウスポー対決。年明け始動から5か月間、「バンタム級最強の中谷選手に勝つ」と武市晃輔トレーナー(43)と通常の試合前の約3倍もの練習を積んだが、敵は強かった。宇宙の起源とも言われる大爆発を指す「ビッグバン」の愛称をもつ中谷に対抗し、陣営が名付けた新ニックネームが「ブラックホール」。その呼び名通り、試合で中谷の長所を吸い込むことはできなかった。

 4月の会見では同席した中谷の顔の小ささに驚がく。だが、同じ小顔のサウスポー、一階級上のWBO世界スーパーバンタム級3位・デニス・マッカン(英国)と重ねた約60ラウンドのスパーリングで自信を深め、この日も中谷の小顔にパンチを放ったが、決定的な一打はぶち込めなかった。

 今後は、減量苦から解放され、スーパーバンタム級で2階級制覇を狙うのか。六島ジム・枝川孝会長ら陣営と相談して決める。西田が、しばし休息した後、次の一歩を踏み出す。

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