第74回全日本大学野球選手権大会(報知新聞社後援)が9日、神宮球場と東京ドームで開幕する。8日には出場26校の選手や指導者が東京・渋谷区内の明治神宮会館に集い、開会式が行われた。
4日の明大との優勝決定戦(神宮)からわずか4日後。今秋ドラフト候補で、最速152キロを誇る早大のエース右腕・伊藤樹(4年=仙台育英)は、目前に控えた大学選手権に向けて、こんな思いを口にした。
「早稲田の強みは、いろんな戦いを経験して粘りがついたところ。僕らはタイトなスケジュールなので、なかなか疲れてはいるんですけど、なんとか一勝必勝で頑張りたい」。明大2回戦でノーヒットノーランを達成してから、先発→抑え→先発→抑え→先発と“5連投”。チームを「怒濤の5連勝」に導き、天皇杯奪回の原動力となったエースは、日本一に照準を絞った。
青学大のエース・中西聖輝(4年=智弁和歌山)は大学球界の2大エースとして、意識する存在だ。「(昨年の)代表合宿ぐらいから話し始めて、東都の中ではかなり成績を収めているピッチャー。僕も参考にする場面とか、お互いにちょっとLINEしてみたりしていた。投げ合いができるのは決勝だけ。なんとか決勝まで行って、投げ合えるようにしたい」とライバル心をのぞかせた。
創価大の強打者・立石正広内野手(4年=高川学園)には「大学日本代表で一緒になり、すごくいいバッターだというのは熟知した中で、対戦の機会が僕らの初戦になる可能性が高い」と警戒。「しっかりと抑えられるようにしたい」と封じ込める決意だ。(加藤 弘士)