◆第66回宝塚記念・G1(6月15日、阪神競馬場・芝2200メートル)
春のG1シリーズを締めくくるグランプリ、第66回宝塚記念・G1は15日、阪神競馬場の芝2200メートルで行われる。今年から実施時期を2週繰り上げての開催で、史上初の大阪杯連覇を達成したベラジオオペラなどG1馬6頭を含む18頭がエントリー。
宝塚記念の個人的なベストレースは1999年。前年のダービー馬で天皇賞・春を制したスペシャルウィークが単勝1・5倍と断然の1番人気に支持された年だったが、グラスワンダーが一瞬で突き放して3馬身差で圧勝した衝撃的な一戦だった。
ビデオテープがすり切れるほど繰り返し見た思い出の宝塚記念から26年、今年はG1馬6頭が集結。春のグランプリらしく好メンバーがそろったなか、注目すべき変更点がある。例年より2週間前倒しになり、安田記念の翌週に行われることだ。これにより日本ダービー、目黒記念(いずれも中1週)からの転戦組はゼロ。今後もこの2レースから臨む馬は少なくなるだろう。かわりに今後増えてきそうな新たなローテーションがある。
今年は3月に行われた日経賞の2、3、4着馬がエントリーしてきた。18年にキセキがこのローテーションで出走したことはあったが、前年暮れの香港遠征で皮膚病を発症したこともあり日経賞が9着で、続く宝塚記念は8着。翌19年の宝塚記念では2着と好走していることから、万全ではなかったと考えられる参考外の一戦ととらえている。
今年の日経賞組で注目しているのは昨年の菊花賞馬のアーバンシックだ。前走は休み明けと道悪も影響して3着に終わったが、その後は天皇賞・春をパスして、このレースに備えたこともありフレッシュな状態。美浦・Wコースでの1週前追い切りも抜群の動きで、ここまでは順調に調整が進められている。21年(クロノジェネシス)、23年(イクイノックス)で2勝しているルメールとのコンビ継続も魅力だ。
菊花賞2着のヘデントール、5着のビザンチンドリームが天皇賞・春でワンツーなど、上位が今年に入って活躍していることもあり、現段階でも本命の有力候補の一頭だ。(西山 智昭)