プロボクシングWBC世界バンタム級1位の那須川天心(26)=帝拳=が、世界前哨戦から一夜明けた9日、都内で会見した。8日のバンタム級10回戦で、WBA6位ビクトル・サンティリャン(29)=ドミニカ=を3―0の判定で下してデビュー7連勝(2KO)とし、11月にも計画される世界初挑戦に大きく前進した。
6回には、しゃがんだ状態から伸び上がって放つ「カエル跳びアッパー」でサンティリャンのアゴをかち上げた。「ちょどコスチュームも緑なんで、本当にカエルになったなというのもあるんですけど。あれで倒せればトノサマガエルだったが、倒せなかったのでガマガエルですね」と苦笑。「あそこのラウンドまでは普通のボクシングの動きをしていたからこそハマるものもある。ああいう突拍子もない動きは、みなさんはパフォーマンスでやってると思われるかもしれないが、僕にとっては武器なんですよね。あれはパッと出た感じ。動いててしゃがんだ時に、下から警戒してないなってのがあったから。じゃあちょっとしゃがんでジャンプするみたいな。本当そんな感じでしたね」と解説した。
「カエル跳びパンチ」は、元WBA、WBC世界スーパーウエルター級王者の輪島功一氏の代名詞として有名。天心も「あれを実際やった人がいるんですよね。昔からボクシングを見ている人から『興奮したよ』とメッセージが来てましたね」と話したが、輪島氏のカエル跳びは「聞いた事はあるが、実際に(動画で)見たわけじゃない」という。
ただ天心は、「僕はカエルに固執しているわけではない。カエルってどちらかというといやがられる方なので。僕はあんまりいやがられたくないので、カブトムシとかのほうがまだ好きかな」とカエルキャラの定着はやんわり固辞した。