那須川天心「僕は他のボクサーに比べてもパンチ力があるとは思えない」と告白「試行錯誤して強くなれるところを証明したい」
一夜明け会見で前夜のカエル跳びアッパーにちなんでカエルポーズを見せる那須川天心　（カメラ・堺　恒志） 画像（1枚）

　プロボクシングＷＢＣ世界バンタム級１位の那須川天心（２６）＝帝拳＝が、世界前哨戦から一夜明けた９日、都内で会見した。８日のバンタム級１０回戦で、ＷＢＡ６位ビクトル・サンティリャン（２９）＝ドミニカ＝を３―０の判定で下してデビュー７連勝（２ＫＯ）とした。

１１月にも計画される世界初挑戦へ向け前進した。

　アマ２００勝の戦績を誇る世界ランカー相手にジャッジ１者がフルマーク、残る２者も９９―９１の大差をつける完勝だったが、一度もダウンを奪うことができなかった。「いろんな課題も見えて、ボクシングの奥深さを知れた」という天心は、自身のパンチ力について自己分析した。

　「僕は他のボクサーに比べてもパンチ力があるとは思えないし、パンチ力はないと思う。でも、試行錯誤して強くなれる。そういう部分をもっと磨いて、だからこそ強くなれるところを証明したい」

　帝拳ジム・浜田剛史代表（６４）は「世界タイトルに向けてのいい経験はできたと思っている」としながらも「パンチに力がなかった。スパーリングでは、このパンチが試合で出ればダウンがとれるというものが何回もあったが、昨日はそれが出なかった」と指摘。天心とコンビを組む元世界２階級制覇王者の粟生隆寛トレーナー（４１）も「今のままだと普通の世界チャンピオンという感じになってしまう。普通のチャンピオンじゃない、全部のベルトを取れるようなチャンピオンにさせたいと思う」と高いハードルを掲げる。

　天心も「世界戦でああいう内容で圧勝するなら文句はないと思うが、前哨戦でどういう風にと見られる試合でああいう内容だと限界が見えちゃう部分もある。限界を作りたくない。あと１個はまれば、さらにいけそうな気がする。

そういうピースをはめ込む作業をしないといけない」とさらなる進化を誓った。

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