WBC、IBF世界バンタム級王座を統一した中谷潤人(27)=M・T=のスーパーバンタム級転向が有力となった。9日、都内ホテルで一夜明け会見に臨み「スーパーバンタム級にいくことを大きく思っている」と発言。
夢対決に向け、決断の時が迫ってきた。中谷は「いろんな選択肢がある中、スーパーバンタム級に行くことを、ものすごく大きく思っている部分はあります」と発言。来年5月、東京ドームでの対戦が浮上する井上尚と戦うために、スーパーバンタム級に慣れる必要性を感じ「1~2戦はやりたい」と話す。「年内に少なくとも1戦」とも言うだけに、次戦での階級変更が濃厚となってきた。
8日は初回から積極的に攻撃を仕掛けるファイトスタイルで西田を圧倒。IBF王者は右肩を脱臼し、6回終了後に棄権した。「2本のベルトを統一できて、素直にうれしい。この試合に向けてたくさん練習してきたことが形になってよかった」。中谷にはもはや、バンタム級のベルトを増やす強い思いは「ない」という。井上尚戦でも西田戦と同じ戦法をとるか尋ねられると「それはナンセンス」と、さらなる強化と綿密な戦略を練る必要性を感じている。
階級変更なら、井上尚戦を踏まえた場合、世界ランカー上位との対戦は不可避だ。
◆西田 サングラスと痛々しい包帯姿で会見し、進退については「ちょっと考えたい」と保留した。右肩を脱臼し、バッティングで腫れた右目もふさがり、6回終了TKO負けした中谷戦。「完敗。悔しい気持ちもある」と28歳は現役続行への意思も、にじませた。かねて減量苦を訴えており、六島ジム・枝川孝会長は「(去就は)本人次第。もうバンタム級は終わり」と再起戦を行う場合はスーパーバンタム級転向と示唆した。