サッカーの26年北中米W杯開幕まで1年となった11日、日本代表の森保一監督(56)が本大会に向け、オプションとして4バックの採用に着手する考えを明かし、強力なストライカーの台頭に期待した。10日に終えたアジア最終予選から一夜明け、京都市内で行われたイベント後に取材対応。
W杯開幕を1年後に控え、森保監督の準備に抜かりはない。チームとして戦術的な幅を広げる作業に着手する考えを明かした。時期は避けたが「できれば(4バックも)試していきたい。以前やっていたこともある。また実戦の場でトライしたい」と4バックを試す意向だ。
昨年1~2月のアジア杯(8強)ではサイドバック(SB)の守備力の弱さを突かれたため、今回のアジア最終予選(昨年9月~今年6月)では一貫して3バックで戦った。MF三笘薫、堂安律ら両ウィングバック(WB)が高い位置を取ることで圧倒的な攻撃力を発揮し、最終予選を歴代最多の勝ち点23で通過。6月の2試合では選手をがらっと替え、テストも敢行できた。
未到のW杯8強、その上にたどり着くには“アジア仕様”から“世界仕様”にギアを上げる必要がある。その上で、指揮官は2つの強化ポイントを挙げた。まずは「サイドバックの強くて推進力のある選手が必要」。
10日に終えたアジア最終予選は10試合30得点を挙げたが、絶対的エースは不在だった。森保監督は「点を取るストライカーに出てきてもらう、ストライカーを生かせるようにする」と得点力向上も掲げた。苦しい時間帯に一発が見込める力のあるFWの存在は勝敗に直結するだけに、重要。9月の米国遠征、10、11月の国内での親善試合と時間は十分にあり、4バック戦術も含めてチームを強化していく。
2度目の指揮となるW杯開幕まで1年となった今の心境を、森保監督は「目の前の日々の活動に全力を尽くす、その積み重ねで最後にご褒美がもらえたら」と話した。10日のインドネシア戦では終盤に2トップも試すなど、目標とする世界一へ着々と歩みを進める。(岩原 正幸)