歌舞伎俳優の松本幸四郎が18日、都内で歌舞伎座「七月大歌舞伎」(7月5~26日)の夜の部「鬼平犯科帳 血闘」の取材会に出席した。

 幸四郎がドラマ、映画で火付盗賊改方長官の「鬼の平蔵」こと長谷川平蔵を演じる人気シリーズを歌舞伎化。

先代の鬼平である叔父の中村吉右衛門さんに敬意を表して「二代目中村吉右衛門に捧ぐ」と副題をつけて上演する。構成・演出も手掛ける幸四郎は「叔父が28年間、出演した特別な作品。十二分に2代目吉右衛門を思い出してもらいたい。それを頭に入れて作っていきたい」と抱負を語った。

 普賢の獅子蔵役で出演する市川團十郎との共演が注目されている。今回から登場する新しい登場人物で「團十郎さんに出ていただけるのは、うれしいこと。彼のためににつくった役です。(役柄は)悪い人です」と明かした。ヒロイン的存在の少女のおまさを演じる團十郎の長女・市川ぼたんについては「染五郎から出た名前なんですけど、聞いたとたん、彼女しかいないと思いました。少女時代のおまさは小刀のようなシャープな役柄。彼女の大きな声を聞いてもらいたい」と期待を込めた。

 また、歌舞伎を題材にした映画「国宝」(吉沢亮主演、李相日監督)が話題を集めていることについても言及した。

「時代劇や歌舞伎を取り上げていただいて、うれしく思います。映画で歌舞伎に興味を持った方々のアンテナに引っかかってもらえたら、うれしいこと。そういう時にやる新作歌舞伎だからこそ、大事にしっかりと作って、お見せする。その気持ちを大事にしようと思います」と語った。

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