◆天皇杯2回戦 FC東京3―1金沢(18日・味スタ)

 FC東京がJ3の金沢を下し、3回戦に進出した。昨年6月のU―23日本代表の米国遠征で負傷離脱したDFバングーナガンデ佳史扶(カシーフ)は昨年5月31日・鳥栖戦以来、383日ぶりの先発復帰し、前半45分間の出場。

復帰戦を勝利で飾った。

 試合後、バングーナガンデは「プレッシャーや緊張が少しあったが、絶対に勝ちたいというのがチームとしても個人としても目標だったので、そこにフォーカスしてピッチに立って戦った。最低限の結果を得られて良かった」と安どした表情を浮かべた。

 「大体、足のもも前の付け根あたりをけがしていた」と離脱期間を振り返る。1年もの期間を「(こんなに空いたのは)人生で初めてだったので、なかなか強くなりました」という。「本当にいつ治るのか分からないようなけがだった。一日一日が自分の中で試行錯誤の連続。考えることや、いろいろやることが多くて今1年経ってみれば、感覚的にはあっという間だったなという感じ」と話した。

 合流直前を前に、再び離脱してしまうこともあった。「(昨年は)自分との向き合い方が難しかった。年が明けてからは、今できることに集中しようと(気持ちが)切り替わった」とリハビリ期間を乗り越えた。「落ち込む時もありましたけど、結局(前に)進むしかない。

ピッチに立つことを目標に、1年間、合流直前でけがしてしまったりも何回かあったけど、とりあえず一つ目標はクリアできたので、こうやって(また)少しずつクリアしていきたい」と誓った。

 リーグ後半戦に向け17位から巻き返しを図るチームの力になる決意も語った。「楽しみですし、今日の試合ですごくやれるなという、そういうプレーができるなという自信はついたので、より練習でトライしていき実戦でやれたら」と見据えた。左サイドバックが主戦場の背番号6。今後に向けて「自分にしかないと思う武器はある。チームとしても個人としても、勝ちが一番欲しいので、それに直結するプレーを磨いていきたい」と力を込めた。

 松橋監督も「ミーティングで佳史扶の顔を見て、ちょっともうグッとくるものがあった」と復帰を喜び、「彼が良いスタートを切れたと思いたい。それに匹敵するプレーはしっかりできたかと思う」と評価した。

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