J2北海道コンサドーレ札幌GK高木駿(36)が566日ぶりにピッチに立つ。札幌は21日、後半戦初戦のアウェー・藤枝戦に臨む。

昨季は左膝前十字じん帯断裂、今季は腰椎椎間板ヘルニアで出場機会がなかったが、20日に札幌をたったメンバーに名を連ね、2023年12月3日以来の出場が濃厚となった。13位に沈む現状脱出へ、持ち味の声で最後方からリズムをつくり、4試合ぶりの勝利へ導く。

 ついに高木がゴールマウスを守るときが来た。藤枝戦に向けた20日の宮の沢での練習。仲間に細かく指示を与えながら、フルメニューを消化した。23年の最終戦となったホーム・浦和戦以来、実に566日ぶりとなる出場へ「やるしかないです」と気持ちを高ぶらせた。

 昨季は開幕前日に左膝前十字じん帯を断裂。最終の柏戦でベンチ入りも、出場機会はなかった。復活を期した今季、キャンプ中に腰を痛め、3月12日にヘルニアの手術を受けた。「前十字で上げた筋力など戻すのが大変だった。膝の痛みも出たし」とリハビリ期間も苦しんだが、36歳の誕生日前日の5月21日に全体練習に合流。「6月中の実戦復帰」という目標を達成した。

 待ち焦がれたピッチで感じる課題は、最後方から改善する。13位に沈む現状を踏まえ、高木は「自分たちでボールを持つ前提でやっているが、そこがうまくいかなくなると『うまくいかないな』というマインドのままでいってしまっている。攻守は表裏一体。そうすると守備もうまくいかなくなる」と口にする。悪い時間帯でも皆が下を向かぬよう、「見ていて感じた部分を自分が入ってどう表現するかだと思うので。流れを生み出せるようなプレーをしたい」と気持ちも切り替えさせながら、試合をつくる。

 試合に出られない中も、今月加入したDF宮や浦上と練習後に会話を重ね、考え方を共有し、人間性も含めて理解するように努めてきた。準備を整えて臨む後半戦初戦へ「残り全部勝たなきゃいけないくらいの状態なので。ここから全く別のチームになる気持ちで戦いたい」。巻き返しへの4試合ぶり勝利は、ピッチの中で飾る。(砂田 秀人)

 〇…後半戦浮上のために岩政大樹監督(43)が「大型連勝」をテーマに挙げた。6勝4分け9敗の勝ち点22と、プレーオフ圏の6位磐田に勝ち点10差をつけられているが「そこは考える必要がないこと」と他の動向は気にしない。

「どこかで大型連勝をするだけ。それができるかできないかの1点なので。それができるだけのチームをつくるのがするべきところ」と、今季2連勝が一度のみという状況からの前進を目指していく。

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