◆レスリング 明治杯全日本選抜選手権 最終日(22日・東京体育館)

 世界選手権(9月・ザグレブ)代表選考会を兼ねて行い、男子フリースタイル65キロ級で、昨夏のパリ五輪金メダルの清岡幸大郎(カクシングループ)が、決勝、プレーオフでともに田南部魁星(ミキハウス)に勝利し、初優勝と世界選手権代表権を手にした。

 決勝は「緊張した」と話し、第1ピリオド(P)序盤で2点を取られるなど堅さも見られたが、中盤で左足をつかんでバックを取り、そこから回転させ4点を奪取し逆転。

そのまま逃げ切り優勝した。勢いに乗って迎えたプレーオフでは、序盤から攻め続けテクニカルスペリオリティーで退けた。「プレーオフも1日に同じ選手と2度やるのも初めて。すごく勉強になったし、いい機会になった。お互い不完全燃焼のところはあったと思いますが、しっかり最後まで戦い抜けたことは良かった」と振り返った。

 パリ五輪前まで世界での実績は乏しかったものの、全日本選手権で東京五輪金の乙黒拓斗に勝ち、その勢いで五輪代表入りし、金メダルまで上り詰めた。3年後のロサンゼルス五輪に向けて、海外経験を積むため、約1か月半、ドイツに滞在し、ブンデスリーガに参戦。さらなる進化を遂げ、初の世界選手権代表をたぐり寄せた。

 4月から所属先がカクシングループになり、新たなスタートを切った。「復帰戦でなんとしても新所属でのスタートをいい形で切りたかったので、こうして優勝と世界選手権代表を取り切ることができてすごく良かった。本当の王者としてはまだまだだと思うので、ここでしっかり世界選手権をとって、国内外で清岡幸大郎がチャンピオンと認めさせたいと思います」と力強く言った。

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