◆レスリング 明治杯全日本選抜選手権 最終日(22日・東京体育館)

 世界選手権(9月・ザグレブ)代表選考会を兼ねて行い、女子62キロ級で元木咲良(育英大助手)が、尾崎野乃香(慶大)に決勝、プレーオフともに逆転で2連勝し、世界選手権代表権を手にした。

 22年12月以来の2人の対決。

決勝は先に元木が1点を奪ったが、第2ピリオド(P)に入ってすぐに尾崎に2点を奪取され、逆転を許した。その後さらに1点を追加され、3―1とリードを広げられたものの、元木が隙をついてバックを取って2点を取って追いついた。行き詰まる攻防で、そのまま試合が終了。ラストポイントを元木が獲得しており逆転で勝利し、優勝した。

 その後のプレーオフでも、残り約30秒までは3―5で劣勢だったが、タックルから左足を取り攻め続けた。相手にも粘られる中で離さずラスト0秒17でテイクダウンを奪って大逆転した。「最後どっかでチャンスあると。攻め続けて、前に出続ければ絶対にチャンスがあると思っていました。最後は体が反応しました」と納得の表情を浮かべた。

 五輪後の初戦となった4月のJOCジュニアオリンピックカップ ジュニアクイーンズカップで優勝し、U23世界選手権(10月・セルビア)の代表も内定していたが、これでシニアでも代表入りした。「完成度はオリンピック前に比べたら全然でそれに関しては不安だった。まだ発展途上なので、これからまた完成度を高めたり、幅を広げていければいいなって思います」と話す。

 過去2度出場した世界選手権ではいずれも3、2位と金メダルを逃している。「世界選手権は2回逃している。いまだに携帯電話の朝起きるアラームは世界選手権のウイニングランに流れる音楽にしている。あれを聞くたびに不快な気持ちになる。オリンピックを優勝してもその悔しさは消えなかったので、今年出られるチャンスがきたので今年こそは狙いたい」と世界の舞台で雪辱を誓った。

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