◆プロボクシング ▽東洋太平洋スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・横山葵海―同級14位・馬場龍成(8月19日、後楽園ホール)
東洋太平洋スーパーフライ級王者の横山葵海(23)=ワタナベ=が、8月19日に東京・後楽園ホールで同級14位の馬場龍成(29)=EBISU K’s BOX=を迎え初防衛戦を行うことが23日、発表された。
ともにアマチュア時代に全日本選手権を制している両者は、東京・品川区のワタナベジムで会見。
横山はアマチュアで22年全日本選手権バンタム級を制するなど56戦44勝(12RSC)12敗のアマ戦績を引っさげ、拓大卒業後の昨年7月にプロデビュー。今年3月、ジーメル・マグラモ(フィリピン)を3―0の判定で下し、堤駿斗(志成)に並び国内最速タイとなるデビュー3戦目で東洋太平洋王座を獲得した。
マグラモ戦はジャッジ2者が117―111、1者が118―110と大差をつける完勝だった。一方で、デビュー戦以来KO勝利から遠ざかっており「いつも練習からKOっていうのは考えている。スピードに頼りすぎず、いろんな考え方を取り入れながら練習している。やっぱり皆さんが見たいのはKOだと思っている。馬場選手も強いのでそんなにうまくいかないとは思うが、やっぱりお客さんにはKOを見せたいですね」と3戦ぶりのKO決着にも意欲を示した。
所属ジムの渡辺均会長(75)はかねてから、元4階級制覇王者・田中恒成(畑中)の持つ日本男子最速記録となるプロ5戦目での世界王座獲得に言及していた。今回の初防衛戦をクリアすれば、タイ記録となる5戦目での世界王座も視野に入るが、横山は「特に何も考えず、一戦一戦大事に戦うっていう気持ちでやっている。早く世界まで、という気持ちも別になく、決まった試合をこなしていって、そしたら世界まで届くと思う。
馬場は東洋大時代の2017年に全日本選手権フライ級優勝。アマ戦績は45勝(2RSC)26敗。21年8月に6回戦でプロデビューし、今年5月のジム移籍初戦で熊谷祐哉(M・T)との日本ランカー対決に判定勝ち。移籍2戦目で「こんなに早くタイトル戦が決まるとは思っていなかった」という馬場は、横山への挑戦について「自分の方が年齢も飢えで長いキャリアを積んでいるが(横山は)本当に万能型で隙がないイメージ。僕はどちらかというと万能型ではないので、どういう試合になるか自分も楽しみ」と話した。
WBC19位、IBF14位の横山を下せば、東洋太平洋王座と世界ランクを手に入れることとなる。「自分も世界で一番になりたいとは思うが、誰にも負けないつもりで試合をこなしていけば、おのずと世界のベルトが見えてくると思う。まずは目の前の試合を全力で楽しむ、そして勝つということを意識して取り組みたい」と王座獲得を世界へのステップアップにつなげるつもりだ。
戦績は横山が3戦3勝(1KO)、馬場が4勝(1KO)2敗1分け。