◆プロボクシング ▽WBA世界スーパーフライ級挑戦者決定戦12回戦 暫定王者・デビッド・ヒメネス―同級10位・健文トーレス(7月20日、キルギス、ビシュケク・アリーナ)
WBA世界スーパーフライ級10位・健文トーレス(37)=TMK=が、7月20日にキルギスのビシュケク・アリーナでWBA世界同級暫定王者デビッド・ヒメネス(33)=コスタリカ=と同級挑戦者決定戦を闘うことが24日、発表された。
勝てばWBA同級正規王者フェルナンド・マルティネス(33)=アルゼンチン=への挑戦権を得ることになる健文は「僕がしてきた努力を誰にも奪わせない。
健文は元WBC世界ライトフライ級王者ヘルマン・トーレス(メキシコ)を父に持ち、幼少期から「天才ボクサー」として将来を嘱望され、プロでも世界ランカーとなった。しかし、タクシー強盗などで2度収監され、計11年間(6年半、4年半)を刑務所で過ごしてリングから遠ざかった。
7年2か月ぶりの再起戦となった昨年5月、当時WBO世界バンタム級1位だったレイマート・ガバリョ(フィリピン)を敵地で1回TKOで破る大金星を挙げ、世界ランクに復帰。同年8月、7年8か月ぶりに日本のリングに上がり、当時WBO世界スーパーフライ級1位だったKJ・カタラジャ(フィリピン)に10回判定勝ち。2戦連続で世界ランク1位を撃破し、挑戦者決定戦の切符をつかんだ。
「特別、チャンピオンになるために何かを変えることはない。もちろん練習量や相手のスタイルによって様々なトレーニングは必要だが、僕が向かっている所は1つの点。やることは変わらない。僕が目指している点は一本道。そこに向かっているだけ。
興行をプロモートする元世界3階級制覇王者・亀田興毅ファウンダー(38)は「今の健文の年齢、置かれた状況を考えても、1回でも試合を落とすことが出来ない状況。勝てば世界、負ければ終わりを意味する、重要な一戦になる。スーパーフライ級は世界でも熱い階級。そこで健文がどれだけ活躍するか」と語ると、幼少期から知る「天才」への思いを明かし、エールを送った。
「子どものころから一緒に練習してきた。当時から天才ボクサーで、僕が中3の時に彼が中2。中1に(亀田)大毅と井岡一翔選手がいた。みんな同じ(グリーンツダ)ジムで一緒に練習していて、4人中3人が世界チャンピオンになった。一人はどこに行ったんかなと。一番才能がある、天才と言われていた。世界ランク1位に2連勝して、まさに遅れてきた天才。
暫定王者のヒメネスは昨年4月の暫定王座決定戦で同級1位ジョン・ラミレス(米国)に判定勝ちし、暫定王座を獲得。今年3月、キービン・ララ(ニカラグア)に判定勝ちし、初防衛に成功した。WBA同級正規王者は、フェルナンド・マルティネス(33)=アルゼンチン=。5月11日に井岡一翔(35)=志成=を判定で下し初防衛に成功している。
戦績は、健文が15勝(10KO)5敗、ヒメネスが16勝(11KO)1敗。
試合はABEMAで無料生中継される予定。