歌舞伎俳優の中村鶴松が25日、都内で第2回自主公演「鶴明会(かくめいかい)」(9月18~19日、東京・浅草公会堂)の取材会を行った。
2022年以来、3年ぶり2度目の自主公演。
「忠臣蔵」には、おかる役に中村莟玉、千崎弥五郎役に中村歌之助、判人源六役に澤村精四郎、不破数右衛門役に中村福之助、斧定九郎役に中村勘九郎が出演する。豪華な共演者について「最強メンバーです。莟玉さんは、部屋子時代から同じ境遇で思いを共有してきた間柄。福之助さん、歌之助さんとは、中村勘三郎さんに憧れて、同じ方向を向いてきた同士」と明かした。
現在、歌舞伎を題材にした映画「国宝」(李相日監督)が興収68・5億円超の大ヒットを記録していることに触れ「『国宝』を見た人は、自主公演に来てください」と呼びかけた。映画で吉沢亮が演じた主人公・立花喜久雄と同じく鶴松も部屋子という立場で「映画を見て思うことは、たくさんありました。手が震えて化粧ができない場面は『分かるわ~』と思いました。10回くらい離席しそうになった」と語った。
子役時代に勘三郎さんに誘われ、中村屋の部屋子になった鶴松は「鶴明会」について「鶴松の『鶴』に、勘三郎さんの本名(哲明=のりあき)の『明』で鶴明会。勘九郎の兄と一緒に考えました」。尾上右近が自主公演「研の會」で披露した「鏡獅子」を歌舞伎座で演じたことを引き合いに「理想は自主公演でやった演目を歌舞伎座でやること。けんけん(右近)はすごい」と言葉に力を込めた。