俳優の妻夫木聡(44)が、10月期のTBS系日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(後9時)に主演することが4日、分かった。日本ダービー、有馬記念10月期の際にスポーツ報知にエッセー「また満員の競馬場で」を寄稿している小説家・早見和真氏(48)の同名小説のドラマ化。

2人は10年来の親交があり、強力タッグで人間と競走馬の20年にわたる壮大なストーリーを紡ぎ出す。

 揺るぎない信頼感で結ばれた2人が、日曜劇場で新たなる作品を生み出す。

 早見氏の小説が原作の映画「ぼくたちの家族」(2014年)に妻夫木が主演して以来、何度も作品でタッグを組んできた2人。今作の主演も「ぜひ、この(主人公の)栗須という役を妻夫木に演じてほしい」との早見氏の強い思いがあったという。その言葉に妻夫木は「必要とされることが役者にとって幸せな瞬間なので、とてもうれしかったです」と満面の笑みを浮かべた。

 妻夫木演じる税理士・栗須が挫折を味わい、希望を見いだせなくなる中で、競走馬の馬主・山王と出会ったことで人生が大きく変化していく姿を描いた物語。早見氏の原作小説はJRA馬事文化賞、山本周五郎賞を受賞した。撮影にはJRAが全面協力し、実際の競馬場で撮影される。

 脚本を読み「この物語は馬と人間の継承の物語。壮大なお話をドラマでじっくり表現できるというのが本当にうれしかった」という妻夫木。撮影を前に「これだけ愛や希望が詰まった作品というのはなかなかない。このファミリーの一員としてドラマに携われることが本当に光栄ですし、撮影がとにかく楽しみです」と声を弾ませた。

 視聴者に向けては「どの時代でも、受け継がれていく未来への希望というものがあります。何を思い、次の世代に託していくのか。みなさんもその生き証人として、感動に満ちた瞬間を見守っていてほしいです」と呼びかけ。「きっと皆さんの中に秘められた情熱というものを呼び起こしてくれると、僕は確信しています」と自信を見せた。

 演出は同局で「Nのために」「最愛」などのドラマを手掛け、昨年公開され、興行収入59・6億円を記録した「ラストマイル」で報知映画賞監督賞を受賞した塚原あゆ子氏が担当。塚原氏は「愛情と生命力にあふれた熱狂を、妻夫木さんはじめ、素晴らしいキャストと共にお届けします」と言葉に力を込めた。他キャストは後日発表される。

 ◆「ザ・ロイヤルファミリー」 税理士事務所を営む父を尊敬する栗須栄治(妻夫木)は、父と共に働くことを夢見て知識と経験を付けるため大手税理士法人に就職。仕事の幅を広げていたが、あることを機に挫折を味わう。だが、どん底の中、馬主の山王耕造との出会いにより、止まっていた人生が動き出す―。

原作・早見和真氏「とんでもない脚本」

 〇…早見氏は自身の原作について「以前から『ザ・ロイヤルファミリー』が映像化されるとしたら、枠は『日曜劇場』しかないと思っていました」との“予感”があったという。「とんでもない脚本ができています。

心からワクワクするキャスト、スタッフが集まっています」と期待を寄せ「『楽しみにしています』と放り投げるつもりはありません。僕も“原作班”の一人として、素晴らしいドラマをお届けできるよう関わり続けたいと思っています」と、今後も協力を惜しまないという。

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