将棋の藤井聡太名人=竜王、王位、王座、棋王、王将、棋聖=が4日、都内で行われた「第83期名人就位式・祝賀会」に出席した。

 4勝1敗で防衛し、3連覇を達成。

挑戦者は練習将棋などでも長い付き合いがある永瀬拓矢九段。永瀬九段との2日制でのタイトル戦は王将戦に続いて2回目だが、本シリーズは全8棋戦で持ち時間が最も長い9時間で「永瀬九段の棋風や将棋観、また将棋の奥深さをより深く知ることができた」と新たな発見を得たという。第4、5局で連続して千日手になる自身初の経験にも「千日手になる面白さと難しさ。そういった二面性も将棋の魅力の一つなのだろうと感じた」と冷静に振り返り、来期に向けて「今期の経験をいかして、実力を高めて来季の名人戦の舞台に臨めるようにしっかりと取り組んでいきたい」と意気込んだ。

 大の鉄道好きとして知られる藤井だが、本シリーズの第2、3局、現在進行中の王位戦第3局と空港からほど近い場所での対局が続く。往復の移動では鉄道、対局中には飛行機が飛ぶ様子も見ることができ「鉄道と飛行機両方を楽しめてお得だった」と笑顔。特に羽田空港では滑走路を見下ろせ「滑走路が4本ありまして、時間帯によって運用方法が違う。1日の中でも離着陸する方向が変わったり、ちょっとした変化を感じながら、過ごしていました」と対局中にも楽しんでいたと明かした。

 副賞には本人の希望で、旅行券が贈られた。親孝行のためのリクエストだといい「計画を立てるところも含めて、これからどんなところに行くか楽しみながら考えたい」とし、具体的に行きたい場所については「それほどアウトドアは得意じゃないので、まずは温泉に入ってのんびりしたいなと思います」と話すにとどめた。

編集部おすすめ