◆プレミアリーグ 第1節 リーズ1―0エバートン(18日・エランドロード)
日本代表MF田中碧(26)が所属し、3季ぶりに昇格したリーズが、ホームでエバートンを1―0で破った。リーズで2季目を迎え、プレミア初出場となった田中は攻守で躍動し、白星発進に貢献した。
世界最高峰プレミアリーグのデビュー戦で、田中がまばゆいほどの輝きを見せた。ポジションは4―3―3の中盤右サイド。しかし田中はポジションには縛られず、ピッチを縦横無尽に駆け抜けた。
素晴らしい運動量だった。英国ではスタミナ抜群のMFを『ボックス・トゥ・ボックスの選手』(自軍のペナルティーエリア=PAから相手陣営のPAの間を走り続ける)と呼ぶが、エバートン戦で見せたパフォーマンスはまさにそれ。試合開始直後から全く手を抜かず、プレスを掛けまくり、攻撃時には、相手のゴール前に再三飛び込んだ。
後半36分すぎの勝敗を分けたPK奪取のシーンでも存在感が光った。高い位置からのカウンターで味方とのワンツーをきれいに決めた。その後もPA内に走り込み、GKにプレス。
リーズの攻守の鍵を握る選手だった。走りまくって相手に楽なビルドアップをさせなかった。中盤から攻撃の起点となる的確なパスを左右、縦に通すだけではなく、次々と味方のパスも引き出した。プレミアの強度の中でも持ち味である推進力と運動量を発揮。十分に通用する質を見せつけた。
味方のプレーに一喜一憂するなど、ピッチ内外でも情熱を表現することも忘れていなかった。PKが決まるとほえ、終了の瞬間にはベンチを飛び出して仲間に抱きついた。地元メディアによれば、ファルケ監督は田中について「90分になっても走っていた。ゴールを狙う姿勢は良い。感情豊かな選手でスタジアムを熱狂させられる」と高評価した。
こういう素直で熱い感情表現をする選手はサッカーの発祥国・英国で人気者になる。
◆リーズ・ユナイテッド 1919年創設。イングランド・リーズが本拠。ホームスタジアムは3万7645人収容のエランド・ロード。主な獲得タイトルは国内リーグ3度(68―69年、73―74年、91―92年)、国内杯1度(71―72年)。主なOBに元フランス代表FWカントナ、元イングランド代表DFファーディナンド、横浜FM元監督で元オーストラリア代表MFキューウェルら。日本人では過去に現神戸の元日本代表MF井手口陽介が18―19年に所属。