5日の金曜ロードショー(後9時)は「ミニオンズ」シリーズや「SING/シング」などで知られるアニメーション製作会社「イルミネーション」の「ペット2」(2019年)が本編ノーカットで放送される。

 16年に公開された第1作目からしばらくの時間が経過。

主人公のマックスとデュークの2頭の犬の飼い主であるケイティは結婚し、息子のリアムが誕生していた。ある日、一家は車で叔父の住む田舎の牧場へ。そこで2頭は農場犬のルースターと出会う。

 一方、2頭が出掛けた後のニューヨークでは、マックスから預かったお気に入りのおもちゃをなくしてしまったポメラニアンのギジェットが、捜索のために猫に化けることに。さらに、前作での敵役から飼いウサギとなったスノーボールは、悪徳サーカス団でいじめられていたホワイトタイガーの赤ちゃん・フーを助けようとしていた…。

 同時進行している3つのストーリーが、最後は一つになって”大団円”を迎えるという作り。テンポよく物語が進んでいくのが心地よく、気が付いたら作品が終わっていた―と時間が短く感じられるかもしれない。一方で、それぞれのキャラクターがかなり「たっている」ので、1本の映画というよりも「3本のオムニバス」というような感覚を得る人もいるだろう。

 一方で記者が気になったのは、前作の「大前提」が崩れてしまっているという点。1作目は「飼い主がいない時にペットたちはどう過ごしているのか」というのがコンセプトだったと思うが、今作はそこから離れて、ペットたちが単にドタバタやっているだけになっている感は否めなかった。加えて、前作はマックスとデュークの「バディもの」として見たのだが、今回はデュークの出番が少なく、”ダブル主演”になっていない点は「デューク派」には物足りないかもしれない。

 ところで、物語の後半ではスノーボールがサーカス団と戦うシーンがある。

とはいえ、乗り込む敵陣はサーカスのテントではなく、移動する「サーカス列車」の中。今ではほぼ見られなくなってしまったが、かつてはサーカスで使う大型のセットや動物などを搭載し、何十両もの車両をつなげて全米中を走っていたようだ。そういえば、「インディー・ジョーンズ/最後の聖戦」(1989年)でも、リバー・フェニックス演じる若き日のインディーが十字架を奪った後に、サーカス列車に逃げ込むシーンがありましたね…。(高柳 哲人)

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