4日に肺炎のため死去した歌手の橋幸夫さん(本名・橋幸男=ゆきお、享年82)の通夜が9日、東京・文京区の無量山傳通院(でんづういん)で行われた。生前所属していた「夢グループ」の石田重廣社長は、葬儀委員長としてのあいさつで「橋さん、すごかった。

本当にすごかった」と感謝を述べた。

 5月中旬の大阪公演で思うように歌えず「しばらく休みたい」とこぼした橋さんを激励。たちまち笑顔になったことから、直後にアルツハイマー型認知症を公表することに決めたエピソードを披露した。

 同31日に一過性脳虚血発作で救急搬送され、6月8日に退院。同11、12日に滋賀・東近江市立八日市文化芸術会館でコンサートに出演したのが最後となった。橋さんは話すこともままならない状態だったが、急に車いすから立ち上がって「命ある限り、パワーを持って百戦錬磨で頑張る」と決意。その後「皆さん、応援してるよ!」と呼びかけたという。石田社長は感動したが、それが橋さんの最後の言葉になった。

 石田氏は「昭和、平成、令和と3つの時代をヒーローとして生きた、歌謡界の大スター。一緒に仕事できたことは本当に光栄です」と声を張り上げて、あいさつを締めくくった。

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