4日に肺炎のため死去した歌手の橋幸夫(はし・ゆきお、本名・橋幸男=ゆきお)さんの葬儀・告別式が10日、東京・文京区の無量山傳通院で営まれ、ゆかりの歌手、ファンなど600人が参列した。
番組などで共演する機会が多かったフリーアナウンサーの徳光和夫さんが参列。
橋さんのデビュー時から知っていたという徳光さんは「当時(私)は大学生だったんですけど、『潮来笠』が売れて、橋さんが出てきたことによって演歌は生き延びたなと思いました」と当時を振り返った。
橋さんの人柄を「歌謡界の中で人間として幅を付け、成長されていった方」と表現。「社会性に富んだ方で、どんな会話もできましたし、自分の見識をしっかり持ってお話しになる方だったので、お目にかかってもう一度話をしたかったです」と別れを惜しんだ。
この日、霊きゅう車にひつぎが納められると、「二代目橋幸夫 yH2」が橋さんのヒット曲「いつでも夢を」を歌唱し、駆けつけたファンも歌を口ずさんだ。その光景を目の当たりにした徳光さんは「本当に多くの人たちに、どれほどまでに勇気や影響を与えているのか。歌い手さんはそういうもんなんだなと思う一方で、誰しもがそうではないと。橋幸夫だから、多くの皆さんが来られたんだなと実感しまして、本当に涙腺を緩ませました」と本音を吐露した。
歌手として現役のまま亡くなった事については「満足してらっしゃるんじゃないですかね。これも勲章だと思います。橋幸夫というブランドは最期まで輝いたまま、黄泉(よみ)の国に旅立たれたのではないかなと思います」と語った。