日本サッカー協会の審判委員会は1日、都内でメディア向けのレフェリーブリーフィングを開催した。扇谷健司委員長、佐藤隆治審判マネジャーが出席し、実際にJリーグで起きた事象7例を紹介した。

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 J2第29節「札幌―いわき」において、前半36分に札幌MF荒野拓馬、後半5分に札幌FWマリオセルジオが退場した2つの事象について、審判委員会はどちらも主審の判定を支持する見解を示した。

 一発退場となった荒野のスライディングタックルについて、佐藤氏は「フルインパクトではない。けがをさせてやろうというタックルではない」とし、荒野の足が相手選手に「フルインパクト」したわけではないとした上で、スピードをつけたタックルだったこと、膝が伸びている状態だったこと、そして主審が接触度合いがわかる場所で確認していたことから、判定を支持するとした。

 完全に赤(レッドカード)、または完全に黄色(イエローカード)と言い切れる事象ではなく、主審の裁量に委ねられるシーンとなったが「選手の安全を守る意味でも、カードの色は重要」(佐藤氏)とした。

 マリオセルジオの事象は、相手選手を足裏で踏む行為にレッドカードが提示されたもの。佐藤氏は「避けられるかどうかは議論があると思うが、踏みつけていると判断できる」とコメント。「もし同じ状況で(踏まれそうな選手が)味方だったら、同じアクションをしたかどうかも判断(材料)の1つ」と見解を示した。

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