◆第76回毎日王冠・G2(10月5日、東京競馬場・芝1800メートル、良)
伝統のG2が5日、東西で行われ、第76回毎日王冠(東京)は5番人気のレーベンスティールが重賞4勝目。コースレコードに0秒1差と迫る1分44秒0の好タイムで、約1年ぶりの勝利を飾った。
悔しさを晴らして胸が躍った。レーベンスティールは好位3番手から直線で満を持して追い出すと、上がり3ハロン33秒3の末脚で勢いよく加速した。逃げ粘るホウオウビスケッツをかわして真っ先にゴール板を駆け抜けると、津村は右拳を握って白い歯を見せた。
コースレコードに0秒1差で、レースレコードとなる1分44秒0の好タイム(従来の記録は22年サリオスの1分44秒1)での勝利。津村は「僕自身は(24年5月の)新潟大賞典で乗せていただいたのに(11着と)結果を出せなくて悔しい思いをしたので、何とかここで結果を出したいなと思っていた」。昨春以来2度目のコンビで自身初のG2勝利(重賞21勝のうちG11勝、G319勝)を果たし、自然と喜びから笑顔があふれた。
パートナーは昨秋のオールカマー以来、1年ぶりの白星で、復活を印象づける重賞4勝目となった。好スタートから3番手で我慢し、リズム良く運んだ好騎乗が大きかった。鞍上は「スタッフも馬場に出すのを最後にしたり、馬場に入ってからも、ちゃんと歩けていたので、すごい成長している感じはしました。厩舎の力だと思います」とうなずいた。
凱旋門賞に挑んだアロヒアリイに帯同した田中博調教師に代わり、留守を預かった穂苅助手も感無量だ。
今後は状態を見たうえで検討していくが、すでに選択肢のひとつとしてバーレーンインターナショナルT・G2(11月14日、サヒール競馬場・芝2000メートル)に登録している。国内外を問わず、さらに上のステージを目指していく。(坂本 達洋)
レーベンスティール 父リアルスティール、母トウカイライフ(父トウカイテイオー)。美浦・田中博康厩舎所属の牡5歳。北海道日高町・広富牧場の生産。通算成績は14戦6勝(うち海外1戦0勝)。総獲得賞金は2億6354万4000円(うち海外0円)。主な勝ち鞍はセントライト記念・G2(23年)、エプソムC・G3、オールカマー・G2(以上24年)。馬主は(有)キャロットファーム。