◆報知新聞社主催◇第50回札幌マラソン(5日、札幌・真駒内セキスイハイムスタジアム発着日本陸連公認コース)

 さわやかな秋空の下、道内外からエントリーした1万4948人が健脚を競った。男子ハーフマラソン10・20歳代は、札幌市出身で創価大4年の竹田康之助が1時間6分36秒で2年ぶり2度目の優勝。

陸上人生の集大成となる箱根駅伝のメンバー争いに向けて弾みをつけた。(天候晴れ、気温22度、湿度72%、東の風1メートル=午前9時現在)

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  陸上選手として臨む最後の札幌マラソンで、竹田が頂点に立った。最後は両親の声援を受けながら2位に約2分差をつけて走り抜け、「育ってきた地なので、そこで優勝して恩返しできたのは良かった」。力を出し切り、ゴール後は地面に倒れ込んだ。

 想定外の事態が続いた。平年以上の高い気温に加え、序盤に給水をもらうことができず10キロ過ぎから脱水症状気味に。序盤から単独での走りが続いたことも影響して後半に失速した。課題も残るレースとなり、「これを対策する取り組みをして、63分台で走れるようにやっていきたい」と先を見据えた。

 東海大札幌出身。強豪・創価大では24年箱根駅伝でチームエントリーの16人に選出されたが、本番で走ることはかなわなかった。同大会後はすねなどのけがが続き、今年はエントリー外。年明けに控える最後のチャンスに懸け、現在は激しいメンバー争いの真っただ中だ。

 大学卒業後は一般就職する予定で、本格的な陸上は今季限りで引退する。「陸上人生ラストイヤー。今年に懸ける思いは人一倍強い」。地元凱旋(がいせん)Vの勢いに乗り、箱根を目指して走り続ける。

(島山 知房)

  ▼男子ハーフ10・20歳代 〈1〉竹田康之助(創価大)1時間6分36秒

 〇…男子10キロ10・20歳代は、岩手県から初参加した高橋和文さん(25)=岩手銀行=が、初優勝を飾った。一時は50メートル離された2位選手との競り合いを競技場内で交わし、今大会最初のゴールテープを切った。秋田大では弓道に打ち込み、社会人になってから走り始めた。札幌に知人がいたことから「日程的にちょうど良かったので。観光がてら」での出場だったが、競技歴2年目で手にした栄冠。「大きな大会で勝つのは初めてなので。びっくりです」と顔をほころばせた。

 〇…第1回から出場を続ける細川薫さん(86、だれでも1キロ)、稲見昇さん(82、ハーフ男子70歳以上)、高橋雄一さん(78、10キロ男子70歳以上)の3人が完走し、50回連続出場の表彰を受けた。

体調を整えるのに苦労したという細川さんだが「会場に来た途端に若い時を思い出して燃えてきた」と笑顔。札幌マラソン最後のハーフに臨んだ稲見さんは「出し切りました」と汗をぬぐい、高橋さんは「倒れないように走った。来年も出たいね」と、早くも51回連続連続出場に意欲を見せていた。

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