歌手の市川由紀乃が6日、東京国際フォーラムでリサイタル「新章」を開催した。

 卵巣がんの闘病から5月にステージ復帰。

今回は「新たな歌手人生の始まりへの決意をリサイタルのタイトルにしたいと思っていた」と、自ら名付けた「新章」の字を巨大な筆でしたためる映像でスタートした。「雪恋華」や新曲「朧」(おぼろ)など全21曲を歌唱し、7種類の衣装でも魅せた。

 「名曲ミュージカル」と題したコーナーでは、中森明菜沢田研二のカバーをミュージカル形式で披露。市川が尊敬する元歌手・ちあきなおみさんの楽曲「かもめの街」「ルージュ」「夜へ急ぐ人」にも初挑戦した。

 開演前には報道陣の取材に応じ、復帰後の体調について「おかげさまで少しずつ前に進んでいる」と報告。抗がん剤の副作用で手足の指のしびれが残ることを明かしたが、「いつか(しびれは)必ず取れると先生に伺っている。今はこのしびれを前向きに捉えて『いつか取れるんだから』という思いでいます」とうなずいた。

 昨年の秋は抗がん剤治療のまっただ中だった。「また戻れるのだろうか、と不安だった。1年後にリサイタルで歌えていることが、本当に夢のようで奇跡。いろんな経験があったからこそ届けられる歌や言葉がある」と思いを新たにした。

 ステージではまだウィッグ姿だが、髪は順調に伸びてきたという。

「髪質も変わってきて、くせっ毛のような髪になっている。病気を経験しなかったら、ショートカットにすることもなかったと思う。今は短い髪を楽しんでます」とほほえんだ。

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