プロレスリング・ノアは11日に両国国技館で「WRESTLE ODYSSEY」を開催する。

 第7試合のスペシャルタッグマッチで来年1・4東京ドームで引退する新日本プロレス棚橋弘至が参戦し「ALL REBELLION」清宮海斗と初タッグを結成。

丸藤正道、拳王と対戦することが決まった。

 今回の一戦は、清宮が新日本の9・28神戸大会へ足を運び棚橋にリング上でタッグ結成を直談判し実現した。10月2日に都内で行われた記者会見で清宮は棚橋に出場を要求した理由を「棚橋選手は他団体ではあるんですが、自分の中では外せないピース」などと説明した。会見では対戦する拳王が乱入し「よくな、棚橋とタッグ組めるな、こういう状況で。お前知ってんのか? GHCジュニアがあんなぞんざいに扱われた張本人だぞ」とメッタ切りにされた。

 清宮はスポーツ報知の取材に棚橋にタッグ結成を求めた真意を「棚橋さんとはこれまで対戦し超えることはできなかったんですが、最後にノアのリングに上がってくださるなら、隣に立って棚橋さんと同じ景色を見たかった。プロレスラー棚橋弘至を引退される前にノアのリングに刻んでほしい。そこをファンに見て欲しいんです」と訴えた。

 ただ、清宮は業界1位を目指すことを掲げている。しかも、新日本とは2022年1・8横浜アリーナでの対抗戦で武藤敬司と組んで棚橋、オカダ・カズチカ組との対戦から対抗戦がスタートしたが、最初の一戦でオカダに敗れ、さらに武藤敬司「引退試合」23年2・21東京ドームでもオカダとの一騎打ちで完敗。この年は「G1クライマックス」に参戦したが予選落ち…と重要な一戦で負けの連続。団体対抗戦は負けた団体は低迷することが当然で昨年まで閑古鳥が鳴き続けた会場の風景は、新日本に敗れ続けたことも一因だと思われる。

 その意味でも棚橋は来年1・4ドームで引退するだけに、これまでの負の歴史を払拭すべくタッグではなくシングル対決を要求し勝つことを目指すべきだと思う。この機会を逃せば、もう二度と対戦はないかもしれない。そもそも業界1位を狙うなら新日本に負け続けていては叶うはずはない。一体、いつになったら新日本をリング上で倒すのか。この考えを清宮へぶつけた。

 「もちろん、敵対心はあります。対新日本プロレスへの思いはあるし、もっと言うならジェラシーもありました。その気持ちはすごく自分でも持っています。目指すところはプロレス界の一番ですよ!ただ、今の自分は棚橋さんの横に立ちたい気持ちが強いんです。タッグを組んだ機会がないのなら横に立って今の棚橋さんと自分ができることをすべて出して化学反応が起きることにかけたんですよ!過去よりも両国へ向かって動いていかなきゃならないんです!」

 思いは分かる。ただ、清宮は新日本の6・29愛知県体育館大会で大岩陵平と組んで棚橋、丸藤正道と対戦。この時、大岩が棚橋に敗れている。

ならば、余計に雪辱を期して棚橋と対戦すべきだと思う。再び、この考えを問いかけた。

 「そういう考えも分かっています。だからこそ、それをいい意味で覆します。ファンのみなさんへ棚橋さんとタッグを組んで良かったと思わせる化学反応を見せますよ!」

 そこまで言い切るなら、今は清宮の言葉を信じて両国を待つしかない。

 (取材・書き手 福留 崇広)

 ◆10・11両国大会全対戦カード

 ▼GHCヘビー級選手権試合

王者・KENTA VS 挑戦者・マサ北宮

 ▼GHCジュニアヘビー級選手権試合

王者・高橋ヒロム VS 挑戦者・Eita

 ▼スペシャルタッグマッチ

棚橋弘至、清宮海斗 VS 丸藤正道、拳王

 ▼スペシャルシングルマッチ

藤田和之 VS 鈴木みのる

 ▼GHCジュニアヘビー級タッグ選手権試合

王者組・ドラゴン・ベイン、アルファ・ウルフ VS 挑戦者組・ダガ、小田嶋大樹

 ▼タッグマッチ

杉浦貴、シュン・スカイウォーカー with OZAWA VS 遠藤哲哉、HAYATA

 ▼NOAH vs WWE/NXT

ジャック・モリス、佐々木憂流迦 VS チャーリー・デンプシー、ハーレム・ルイス

 ▼タッグマッチ

ガレノ、晴斗希 VS 征矢学、菊池悠斗

 ▼シングルマッチ

宮脇純太 VS カイ・フジムラ

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