歌手の加藤登紀子が8日、都内で60周年企画アルバム第2弾「明日への讃歌」(29日発売)の取材会を行った。
「歌手活動60周年、加藤登紀子は発奮しております!」と情熱いっぱい。
この日発売の先行配信シングル「幸せのために生きているだけさ」は、テレビを通してファンになり、自身のYoutubeライブにも招くなど親交のある4人組バンド・SUPER BEAVERの新録カバー。曲を気に入った加藤が、ベーシストで音楽プロデューサーの亀田誠治氏ら豪華メンバーを自ら集めてレコーディングした。「私はずっとソロだから、バンドはいいなと思った」と存分に“ロック”したという。「SUPER BEAVERは言葉が気持ちよく伝わってくるバンド。60年間どういう気持ちで歌ってきたかを聞かれたら、答えになるような歌」と、コンサートで歌うことを楽しみにしている。
アルバムのタイトルにしたもう1つの新録曲「明日への讃歌」は、加藤が作詞しシンガー・ソングライターの長谷川きよしが作曲。「実は1978年にできていた曲で、一度ステージで歌っただけ。30代で作った詞を今歌っても胸に響く」と手応えを見せた。
「百万本のバラ」など代表曲も収めたアルバムには、平和への強い思いも込めた。1枚目冒頭に収録したジョン・レノンの「イマジン」は、加藤がオノ・ヨーコに直接許諾を得て日本語の語りを入れたバージョン。8月に生まれ故郷の中国・ハルビンで44年ぶりにコンサートを開催した際も、同曲を披露して喝采を浴びた。
12月6日からは、通算53回目の「ほろ酔いコンサート」で6都市7公演を行う。「素晴らしい出会いがあったことに感謝するコンサートにしたい」と気合を入れた。千秋楽前日の12月27日には82歳を迎えるが「誕生日は嫌ですね。ずーっと(81歳を逆にした)18歳でやってきたのに…。軽々と年を取ってみたいな」。記念すべき一年をパワフルに締めくくるつもりだ。