◆米大リーグ 地区シリーズ第5戦 ブルワーズ3―1カブス(11日、米ウィスコンシン州ミルウォーキー=アメリカンファミリーフィールド)

 カブス・鈴木誠也外野手(31)が11日(日本時間12日)、2勝2敗で迎えた地区シリーズ第5戦の敵地・ブルワーズ戦に「4番・右翼」でスタメン出場し、一時同点となるポストシーズン3号ソロを放ったが、空砲に終わり、チームは敗退が決定した。

 試合後は取材に対応し、「まだ気持ちの整理がついてない」「打っても勝たないと意味がない」と悔しさをにじませた。

それでも、自身初のPSを振り返り、「このシーズンに出るか出ないかでは、次のシーズンに入る気持ちも全然違う。初めての経験でしたけど、すごく楽しかったですし、またこのプレーオフに戻ってきたい。よりワールドシリーズ(WS)にも興味が出た。僕はこの(ポスト)シリーズで野球がやれたっていうのがすごくいい経験だったと思う。そこは良かった」と、収穫も挙げた。

 勝者が13日(同14日)から始まるドジャースとのナ・リーグ優勝決定シリーズに進出する大一番。カブスは初回に先発左腕のポメランツがコントレラスにソロを浴びて先取点を献上。直後の1点を追う2回先頭で1打席目に立った誠也は、1ボールから2球目のミジオロウスキーの剛速球を右中間席に運び、叫びながらガッツポーズを作った。3試合ぶりの一発で、試合を振り出しに戻した。101・4マイル(約163・2キロ)をはじき返しての本塁打は、2008年以降のポストシーズンで最も速い球を捉えてのアーチとなった。

 両軍とも2回から継投に入る中、試合が動いたのは4回。カブス2番手で元ソフトバンクのレイが2アウトを簡単に奪ったが、2死走者なしからボーンにソロを浴びて、ブルワーズに勝ち越しを許した。

その後満塁となったが、3番手のパレンシアがオルティスを遊ゴロに打ち取って切り抜けた。1点差で踏ん張りたかったが、7回に2死からキトレッジがチュラングにソロを被弾。2点差に広げられ、本塁は遠かった。

 今季はレギュラーシーズンで米4年目の自己最多となる32本塁打&103打点。日本人右打者としては初めて30発を放ち、松井秀喜氏が04年に記録した31発を抜いて、大谷に次ぐ日本人2位の記録となった。来季に向けては「みんなでこういう悔しい思いを味わってやるのは、普通にポストシーズン行かずに終わるのか、ここで終わるのかは全然違うと思う。また来年も楽しみです」とうなずいた。

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