ナ・リーグの地区シリーズ(S)第5戦が11日(日本時間12日)に行われ、ブルワーズがカブスを破り、リーグ優勝決定S進出を決めた。ドジャースとの第1戦は13日午後7時8分(日本時間14日午前9時8分)から始まる。

ド軍にとって、今季6戦全敗した難敵撃破へ、D・ロバーツ監督(53)は地区Sで不振だった大谷翔平投手(31)の復調をカギに挙げた。

 ワールドシリーズ(WS)連覇を目指す大谷のリーグ優勝決定Sの相手が、ブルワーズに決まった。カブスとの地区Sを3勝2敗で制した。第1戦は13日(日本時間14日)に敵地から始まるが、ド軍にとって最大の強敵が立ちはだかることになった。

 8月に14連勝するなど、今季は両リーグ最多の97勝を挙げたブ軍。ド軍も7月に6試合を戦ったが、1度も勝てなかった。7月7日には先発した山本が1回持たず2/3回で4安打5失点で自己最短KO。派手さはないが、投手陣を中心に小技も絡めながらの攻撃が持ち味だ。

 そんな相性の悪いブ軍を上回るには、「打者・大谷」の復調が必須条件だ。フィリーズとの地区Sは4戦で18打数1安打、打率5分6厘。19打席で16度左腕と対戦したこともあり、大谷は「左打者にとっては思い通りにいかなかった」と口にしていた。非公開練習を行ってオンライン取材に応じたロバーツ監督は「反省していることを願っている。

打席での質をよくする必要がある」と注文。

 ブ軍の左腕は、先発ではキンタナくらい。救援にはアシュビー、ケーニッグらはいるが、地区Sほど左腕との対戦ばかりになることはないだろう。それでも大谷には左投手を当てようとしてくるのは想像に難くはない。指揮官は「あのようなパフォーマンスではワールドシリーズは勝てない。(左腕に)内角を攻められ、外に逃げる球を投げられる。そこを理解して向上させないといけない」と短期間での修正を求めた。

 初戦を含めた先発投手は明言しなかったが、大谷もいずれかの試合で先発することは確実。6回3失点でPS初登板初勝利を挙げた地区S第1戦では4三振を喫したこともあって、ロバーツ監督は「投げる日は体力を温存しようとして、打席で粘れないのだろう。実際、登板日の打撃はよくない。だから考え直してよりよい作戦を考える必要がある」とも言った。レギュラーシーズンのチーム防御率3・58はリーグトップだったブ軍。

左腕に限らずとも高い投手力を持っている。昨季も地区Sの打率は2割ながら、優勝決定Sでは同3割6分4厘と復調した大谷。指揮官は言った。「私は期待しているし、全員が期待している」。誰もが再現を願っている。(安藤 宏太)

 ◆大谷の24年PS パドレスとの地区Sは、初戦に同点3ランを含む2安打と好発進も、波に乗れずに5試合で20打数4安打1本塁打、打率2割。メッツとのリーグ優勝決定Sは22打数8安打2本塁打、打率3割6分4厘と復調したが、ヤンキースとのWSは第2戦で盗塁した際に左肩を負傷した影響もあり、5試合で19打数2安打、打率1割5厘と本来の打撃は影を潜めた。

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