◆2025 パーソル クライマックスシリーズ パ・ファーストステージ 第2戦 日本ハム5―4オリックス(12日・エスコンF)

 「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」の第1ステージ(S)第2戦が行われ、日本ハムが最大3点差を逆転してオリックスに連勝し、2年連続最終S進出を決めた。1点を追う8回、フランミル・レイエス外野手(30)が右翼へ逆転2点打を放って試合を決めた。

15日から始まるソフトバンクとの最終S(みずほペイペイ)は昨季と同じ顔合わせ。新庄剛志監督(53)は「あした(最終Sを)したいくらい。このノリで」と勢いに乗ってリベンジを狙う。

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 耳をつんざくような大歓声が、エスコンを包んだ。新庄監督はベンチを飛びだし「セーフ」のジェスチャーを繰り出した。同時に球審の両手が真横に広がると、頭上で両手をたたき喜びを爆発させた。3―4の8回2死一、二塁、レイエスが岩崎の156キロ直球を捉え、右翼フェンス直撃の逆転2点適時打。指揮官は試合後、「ふらついてます」と興奮冷めやらぬまま会見場に登場し、「こういう試合を全国のファイターズファンに見せられたことが一番うれしい」と勝利に浸った。主砲の逆転打で、2年連続でファイナルステージ進出を決めた。

 2冠を獲得したスラッガーの読みが上回った。カウント3―2から外角156キロ直球を捉えた主砲は、「若月さんのリードは内角に厳しく攻めてくる。3球目にワンバウンドするフォークを見逃して、『ほら見ろ。

分かったぞ』と自信を持っていけた」と、相手捕手の特徴を完全に見抜き、決勝打につなげていた。指揮官は、「自分だったらフォーク待ってましたね。真っすぐを捉えたのはすごい。さすが打点王、ホームラン王。頼りになります」と最大限の賛辞を贈った。

 来日2年目、お立ち台では日本語で「よっしゃー。ファンの皆さんまだまだ~」と絶叫し、沸かせた。報道陣にも日本語で「おはようございます」や「またあした」と毎日のあいさつを欠かさないドミニカン。身近で接する高橋通訳は、「洞察力がすごい。日本の文化と母国の文化をリスペクトし、どちらにも合わせられる」と舌を巻く。「一番大事なのは、自分が考えて頭が良くなること」とレイエス。抜群の適応力が日本での大成功につながっている。

 第1Sで2連勝し、15日からは敵地で王者ソフトバンク戦に臨む。「いやもうあした試合したいくらい。このノリで」と指揮官は上機嫌。続けて、「小久保監督も認めてくれていると思う。最後の最後までパ・リーグを盛り上げたい」。昨季は3連敗で手も足も出なかったが、今季は違う。「去年の悔しさを胸に、どうやって戦って、こっち(エスコン)に戻ってくるか」。昨季から確実に強くなった新庄ハムが、逆襲へのチケットをつかんだ。(川上 晴輝)

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