◆京滋大学秋季リーグ 最終節1回戦 佛教大2―1花園大(14日・カローラ滋賀はちまんスタジアム)
最終節1回戦が行われ、23日のドラフト会議で上位候補に挙がっている花園大の最速156キロ右腕・藤原聡大(4年=水口)が3回0封で大学ラスト登板を終えた。同じく候補に挙がる佛教大の最速153キロ右腕の赤木晴哉(4年=天理)も7回1失点と好投。
渾身の1球で締めくくった。3回2死、花園大の藤原が投じた37球目はこの日最速の155キロを計測した。左飛に仕留め「納得いく球が投げられました」と笑顔。3回を1安打無失点、3奪三振。2回戦以降の登板予定はなく、これが大学生活最後の登板となった。
「優勝がない中で、自分はチームに何を残せるか…」。初球から152キロをたたき出した。出塁は許しても、流れは渡さない。そして迎えた3回、「ファーストの植西からボールを回して、自分がもらったんですけど、寂しさが出てきた」と右腕。4年間の日々を頭にめぐらせ、腕を振った。
今秋は初戦で明治国際医療大を7回無失点に料理した。続く大谷大戦では5回無安打無失点、10奪三振をマークすると、中1日で再び5回無失点10K。さらに、びわこ成蹊大戦では自己最速を更新する156キロをたたき出した。投げるたびに注目度が増した右腕は「どんなときも妥協せずにやってきた結果だと思う」。ソフトバンクの永井スカウト部長も「(他球団は)1位も含めた評価になってくるのではないか」と話した。
「不安とドキドキと楽しみ」。運命の日が近づき、気持ちは入り交じる。ただ、力は全て出し切った。「どこまでいけるか分からないのが自分のいいところ。限界を決めずに突き進んでいきたい」。まだまだ発展途上。右腕の物語は続いていく。