◆第78回秋季全道高校野球大会 ▽準々決勝 立命館慶祥5―4札幌日大(16日・プレド)

 春夏通じて初の甲子園出場を狙う立命館慶祥が札幌日大を5-4で破り、2022年以来の4強入りを決めた。

 9回2死一、二塁。

長打が出れば逆転のピンチで、最後は3番手の右腕・吉野瑛太(2年)が三振に仕留めた。13年夏の初対戦から昨夏の南北海道大会決勝まで6連敗中の難敵。7度目の挑戦で初白星を手にし、OBの滝本圭史監督は「壁を1つ突破できて、慶祥のOBとしては次のステージにようやく進めたという思いが大きい」と目を赤くした。

 先発マウンドに上がったのは背番号1の蝦名留維(2年)。120キロ台の直球に今大会から解禁したチェンジアップを織り交ぜながら、前半5回を1失点。鼻から出血するアクシデントもありながら、7回まで2失点と試合を作った。疲れが見え始めた8回に2点を失ったものの、柿沢成那(なずな、2年)、吉野の継投でリードを守り切った。

 両校の野球部グラウンドは直線で約400メートルの距離にある。車で5分ほどと近いが、6連敗のうち4試合がコールド負けと実力では“遠い”存在だった。中学硬式野球チームの先輩でもある森本琢朗監督に滝本監督から相談することも少なくなく、札幌日大が実施してきた人間学の勉強会「木鶏会」を今年から導入。一歩、二歩先を行く強豪校に追いつくために試行錯誤を繰り返してきて、指揮官は「敵とかそういうことではなくて、尊敬の気持ちを持っている。ただ、何とか超えたい思いはありました」と喜びをかみしめた。

 初の頂点まであと2勝。次戦は白樺学園と激突する。蝦名は「みんなに助けてもらってばかりだったので、次はみんなのことを助けたい」と腕をまくっていた。

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