◆第86回菊花賞・G1(10月26日、京都・芝3000メートル)
春2冠の連対馬が不在のクラシック最終戦、第86回菊花賞・G1(26日、京都)で頂点を狙うショウヘイは、日本ダービー3着と実績上位。馬名に注目が集まるなか、一歩一歩評価を上げ、主役級として大舞台に挑む。
自らの力で、その名を響かせてきた。3冠最終戦の菊花賞で戴冠(たいかん)を狙うショウヘイ。その馬名は、ドジャースで二刀流として活躍する大谷翔平をほうふつとさせる。友道調教師は「名前負けするかと思ったけど、追いついてきたね」と笑み。日本ダービー3着馬の実績を引っさげ、胸を張って臨む。
デビュー前から“S評価”だったわけではない。夏の北海道でゲート試験に合格したが、当時は体が緩く、クラシックへの道のりは未知数。高校3年の夏に160キロをマークするなど、早くからスター候補だった大谷とは対照的だった。
デビューに向けて入厩し、調教の強度を上げるうちに素質の片りんを見せた。昨年12月の2戦目で初勝利。しかし次戦のきさらぎ賞に向けた調整では、力みや体のバランスなどの課題が表れた。結果も4着で、指揮官の頭をよぎったのは「春全休」。
秋初戦の神戸新聞杯は2着も、トレーナーは「完璧なレース」と評価。決め手比べではエリキングに屈したが、遅いペースでも我慢が利き、目標にされる形でも踏ん張れた。2400メートルで続けて好走。今回の3000メートルに対しても、「ハミをうまく抜ければ我慢できる。正直、適距離ではないと思うけど、同世代ならチャンス」と決して悲観はしていない。今回はダービーの1、2着馬が不在で、能力や春の戦績は間違いなくトップクラス。淀の舞台で、一番輝くスターになる。(水納 愛美)
○…ショウヘイが京都新聞杯を勝った5月10日、大谷は日本時間同日(以下同)に試合を決める3ランを放っていた。