巨人は23日の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」(午後4時50分開始)で鷺宮製作所の竹丸和幸投手(23)を1位指名することを公表した。22日に都内で阿部慎之助監督(46)も入ってスカウト会議を行い、決定した。

アマ球界屈指の最速152キロ左腕で、補強ポイントとなっている「左の先発」の一角として期待。智弁学園・岡本和真を単独1位指名した14年から丸11年となる「10・23」に新たなスターの交渉権獲得を目指す。

 巨人ファンにダブルビッグニュースが飛び込んできた。岡本がポスティングでのメジャー挑戦を会見で電撃発表した45分後。約2時間のスカウト会議を終えた榑松伸介スカウト部ディレクターが報道陣の取材に応じ、「鷺宮製作所の竹丸投手にいきます」と1位指名を公表した。

 巨人の恋人は最速152キロの本格派左腕だった。リーグ優勝を逃した今季は、先発投手の層の薄さが課題として残った。特に左の先発は井上が4勝8敗、森田が3勝4敗、横川が2勝0敗、又木は0勝1敗。6勝1敗だったグリフィンは退団してメジャー移籍の可能性が浮上している。

 「今年の補強ポイント、左の先発ローテーションを担える素材というところで左投手では竹丸投手を一番に評価させていただいた」と榑松ディレクター。ポスト岡本として、同じ右の強打者の創価大・立石も高評価していたが、即戦力投手の指名を優先する形となった。「先発タイプで長いイニングを投げられますし、フォームのバランスも良い。

非常に力のある投手」。竹丸の能力の高さに魅力があった。

 21日までに広島が立石、西武が明大・小島の1位指名を公表。巨人が公表した時点では、竹丸の1位指名を公言している球団はなかった。理想は一本釣りだ。偶然にも11年前の14年、同じ10月23日に行われたドラフト会議で岡本の単独指名に成功。不動の4番に成長する逸材を獲得した。「単独がいいなとは思いますけど、もちろん」と今回も竹丸と縁があることを願う。

 他球団の動向をうかがって重複を避けようとの狙いはなく、純粋に最も欲しい投手という意味で竹丸を1位指名する。「競合しても竹丸投手というところで」と、万が一の抽選も覚悟はしている。その際のくじ引きは阿部監督に託す方向だ。

 巨人は13年から21年まで1位抽選は11連敗と運に恵まれない時代もあった。

だが、22年の高松商・浅野を2球団競合で原監督、23年に中大・西舘を2球団競合で阿部監督が当て、昨年も阿部監督が関大・金丸を4球団競合で外したが、花咲徳栄・石塚を西武との競合で当て直近4戦3勝。阿部監督のくじ引きは3戦2勝の高確率だ。「阿部監督が引いてくれると思う」と強運に期待した。

 リーグ優勝奪回、14年ぶり日本一へ何としても欲しい即戦力左腕。交渉権確定を願って1位指名する。

 ▼G社会人左腕1位は22年ぶり 巨人が鷺宮製作所の左腕・竹丸和幸の1位指名を公表。巨人が社会人投手を1位指名(最初の入札)するのは、13年石川歩(東京ガス、抽選外れ)以来、12年ぶりのこと。

 また、巨人が1位(最上位)指名で獲得した社会人投手は、04年自由枠の野間口貴彦(シダックス)まで、6人いる。うち左投手は、88年1位・吉田修司(拓銀)、99年1位・高橋尚成(東芝)、03年自由枠・内海哲也(東京ガス)の3人。竹丸獲得なら、球団22年ぶりの社会人左腕1位になる。

 ◆竹丸 和幸(たけまる・かずゆき)2002年2月26日、広島市生まれ。23歳。

崇徳では2年秋に初めてベンチ入り。3年夏は背番号10で4回戦の広島国際学院戦に先発するも、4回1失点でチームは敗退。城西大では2年春に2部リーグデビュー。4年秋に1部に昇格して3勝1敗、防御率1・52(リーグ2位)の成績を残す。179センチ、75キロ。左投左打。

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