◆2025年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(23日)

 阪神は育成ドラフト1位で、東農大北海道の神宮僚介投手(22=桐生第一)を指名した。計6球種を操る最速148キロのサイド右腕で、同大学からの指名は22年の伊藤茉央投手(中日)以来3年ぶり。

北海道網走市内のキャンパスで会見し「今はホッとしている気持ちが1番大きいです。育成でも支配下でもどちらでも自分の中ではもう、とにかく行けるだけで大きいことだと。育成1位という形で阪神さんに取っていただいてすごく感謝しています」と胸をなで下ろした。

 178センチ、81キロ。大学2年時から本格的に横手投げに転向した。3年春に北海道六大学リーグで最優秀投手賞を獲得するなど頭角を現したが、同年6月の試合中に右肘を痛め、その後に内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。復活を果たしたのは今秋。今月13日の明治神宮大会・北海道地区代表決定戦では札幌大を相手に先発で7回11奪三振1失点と好投し、チームを2年ぶりの明治神宮大会出場へと導いた。

 巨人、日本ハムのスカウトも熱視線を注ぐ中、今年のセ・リーグ王者から先に指名を受けた。チームの第一印象については「投手層がすごく厚く、尊敬する選手ばかり」と口にし「制球力が求められると思うので、村上投手とお話をさせていただきたいです」と先を思い描いた。藤川球児監督については「真っすぐが魅力的、という印象が大きくて。監督の下で野球ができるという環境をすごくありがたく思っています」と目を輝かせた。

 同大野球部の三垣勝巳監督は大阪出身でPL学園OB。教え子がタイガースから指名され「かかった瞬間はすぐ神宮と目を合わせて『よっしゃ、よかったな』と。個人的にも大阪出身なもんですから、阪神タイガースにいつかは選手が行ってもらえるようになればいいなと思っていたところに、こういうご縁をいただきました。パイオニアになってもらいたい。けがを経て、たどり着いて、非常に苦労もしている。(手術など)けがの功名と言いますか、そこで非常に彼も強くなったし、練習に取り組む姿勢、投げられない分、どう過ごしていけばいいのか、と強く分かったと思う」と喜んでいた。

 ◆神宮 僚介(じんぐう・りょうすけ)2003年5月27日、群馬県生まれ。22歳。桐生第一(群馬)では背番号1。東農大北海道では3年春に道六Lで最優秀投手賞。同年7月に右肘を手術。4年秋にエースとして復帰。

最速148キロ。遠投105メートル。50メートル走6秒1。球種はツーシーム、スライダー、カットボール、フォーク。右投右打。家族は両親と姉。

編集部おすすめ