◆秋季近畿地区大会▽準々決勝 神戸国際大付3―0橿原学院(26日・さとやくスタジアム)

 来春のセンバツ(2026年3月19日開幕)出場校選考の重要な参考資料となる秋季近畿大会は準々決勝3試合が行われた。神戸国際大付は、背番号11の宮田卓亜(とあ、2年)が無安打無得点試合を達成。

雨の中で11三振を奪い、春夏連続出場した2021年以来、5年ぶりのセンバツ出場に当確ランプをともした。滋賀学園は、中野壮真一塁手(2年)のサヨナラ打で近江との“滋賀ダービー”に勝利。大阪桐蔭は天理に6回コールド勝ちし、いずれもセンバツ出場に大きく前進した。

 土砂降りのマウンドで、左腕の笑みがはじけた。3―0の9回2死一塁、神戸国際大付・宮田は最後の打者を二ゴロに仕留め、自身初のノーヒットノーランを達成した。許したのは2四球のみ。初回の2者連続から11奪三振を積み重ね、「立ち上がりから順調に行けたので、自分的には最高だった」と胸を張った。

 7回までは1人の打者も出さない完全投球。「最初から圧倒するようなピッチングでいきたかった」と、最速137キロながら、回転のきれいさを追求する直球と、決め球のスライダーを駆使して3回までに7三振を奪った。8回先頭の四球で完全試合は逃したが、動揺もなく後続を3人斬り。終盤は頻繁にボール交換が必要になるほど雨が強まり、「投げにくかった」と苦笑いしつつ、悪条件の中で快挙を成し遂げた。

 1年春からベンチ入りするなど、入学当初から高い期待を寄せられていた。

ただ、当初は投球に消極的だったという。中学時代からあった肘の違和感が原因で、背番号1を着けた今夏まで違和感は続いた。毎日のストレッチなど、基礎的なケアを見直してから不安も徐々に解消。背番号11で挑んだ今秋は、25日の金光大阪との初戦も救援で2回2/3を無安打無失点だった。続く快投に、青木尚龍監督(61)も「これから投げることが楽しいって、何に対しても取り組んでいって…。高校生は何かのきっかけですごく良くなる。楽しみ」と期待を膨らませた。

 春夏連続出場した21年以来のセンバツ出場に当確ランプ。それでも宮田は「背番号1(を他選手に譲ったこと)は悔しい。センバツでは取り返したい」と、全く満足していない。来春の聖地を見据え、今後もエースナンバー奪還へのアピールを続ける。(瀬川 楓花)

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