◆第172回天皇賞・秋・G1(11月2日、東京競馬場・芝2000メートル)

 この夏、関係者の間で「新潟記念って、何でこんなにいいメンバーなの?」と話題になっていた。ハンデ戦から別定戦になったことで、G1を見据える有力馬たちが、広くて紛れの少ない新潟外回りに照準を定めたのだと思う。

 なぜ、そんな話を思い出したのかといえば、2着だったエネルジコが菊花賞を勝ったから。先週は8着だったナムラエイハブもカシオペアSで2着に入り、今月初めには3着だったディープモンスターは京都大賞典を勝った。文句なしにハイレベルに認定していいレースだろう。

 となれば、勝ち馬のシランケド(牝5歳、栗東・牧浦充徳厩舎、父デクラレーションオブウォー)に注目しないわけにはいかない。前走で騎乗した坂井騎手も「あとはG1タイトルだけ」と高く評価していたように、今年に入ってからの充実ぶりは目覚ましい。小回りでも勝っているが、おそらく左回りの広いコースがベスト。今、一番怖いのは「新潟記念組強し」が菊花賞でバレて、過剰人気になることです。(山本 武志)

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