◆米大リーグ ワールドシリーズ第3戦 ドジャース―ブルージェイズ(27日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が27日(日本時間28日)、1勝1敗で迎えたワールドシリーズ第3戦の本拠地・ブルージェイズ戦に「1番・指名打者」でスタメン出場し、2本塁打を放った。ポストシーズンでは3度目の1試合複数本塁打となった。

3回の2打席目にシャーザーからソロを放つと、7回の4打席目にもドミンゲスから同点のソロを放った。1試合4長打はワールドシリーズ2人目の快挙となった。

 初回先頭の1打席目に右翼線へ二塁打を放つと、ドジャースは2回にT・ヘルナンデスのソロで1点を先取。1―0と1点をリードした3回1死走者なしの2打席目に1ボール、2ストライクから通算221勝のレジェンド右腕・シャーザーの6球目の内角95・1マイル(約153・0キロ)の直球を振り抜くと、打球速度101・5マイル(約163・3キロ)、打球角度32度で右翼のブルージェイズブルペンへ飛び込んでいった。飛距離は389フィート(約119メートル)。打球の行方を確認すると、2試合ぶりの本塁打に、気持ちよさそうにバットを放り投げた。

 さらに勢いに乗ってもう一発を放った。1点を追う7回1死走者なしの2打席目。4番手右腕・ドミンゲスの直球を捉えると、左中間席に運ぶこの日2発目のアーチ。興奮気味の大谷は何度も吠えながらダイヤモンドを1周した。

 今季のポストシーズンでは2試合ぶりの7、8号。1年のポストシーズンで8本塁打を放つのは、2020年にアロザレーナ(レイズ)が10本を放ったのに続く2位タイで、20年シーガーが樹立した球団記録に並んだ。

さらにポストシーズン通算本塁打は11本目となり、10本だった松井秀喜氏(ヤンキース)を抜いて日本人歴代単独トップとなった。

 地区シリーズでは18打数1安打の打率5分6厘と苦しんだが、少しずつ調子を上げて6試合連続安打。前日26日(同27日)に自身の状態について「状態的には少しずつ上がってきているかなと思うので、毎回毎回いい打席を目指していますけど、必ずしも相手は素晴らしいばかりですし、そういうわけにはいかないと思うので、事前の準備と打席に入る前の心構えを大事にしながら1打席1打席大事にしたいなと思います」と明かしていた。

 復調のきっかけを作るためにナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦翌日の15日(同16日)に今季は2月のキャンプ中に1度だけ行ったフリー打撃をして復調へのきっかけをつかむと、第4戦で3本塁打を放ち、シリーズMVPまでかっさらった。ワールドシリーズまでも中6日が空いたことで、「外(グラウンド)でしか確認できないようなことをしっかり。あまりシーズン中は必要なかったですけど、試合も少ないのでそういう所を確認したい」とワールドシリーズ初戦前日の23日(同24日)にも全体練習でフリー打撃を行い、推定飛距離150メートルの特大弾を放つなど、状態を整え、ワールドシリーズで3戦3発だ。

 ◆日本人選手のポストシーズン本塁打数

 ▽11本 大谷翔平(ドジャース)

 ▽10本 松井秀喜(ヤンキース)

 ▽3本  鈴木誠也(3本)

 ▽2本  田口壮(カージナルス)

 ▽1本  井口資仁(ホワイトソックス)、松井稼頭央(ロッキーズ)、岩村明憲(レイズ)、イチロー(ヤンキース)

 ◆1シーズンのポストシーズン本塁打数歴代上位

 ▽10本 20年アロザレーナ(レイズ)

 ▽8本 25年大谷翔平(ドジャース)、23年ガルシア(レンジャーズ)、20年シーガー(ドジャース)、11年クルーズ(レンジャーズ)、04年ベルトラン(アストロズ)、02年ボンズ(ジャイアンツ)

 ▽7本 24年スタントン(ヤンキース)、17年アルテューベ(アストロズ)、15年マーフィー(メッツ)、09年ワース(フィリーズ)、08年アプトン(レイズ)、02年グロース(エンゼルス

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