巨人・田中将大投手(37)が9日、宮城・気仙沼市で合同防災避難訓練に参加した。東北復興に長年関心を寄せてきたことを受け、主催の国土交通省から声がかかり実現。

地元の野球少年団2チームの選手と一緒に歩いて高台へ避難する動きなどを確かめ「学校などで学ぶとは思うけど実際に伝えていくことがすごく大事。考える、広まるきっかけになれば」と自らが動いた。

 楽天時代の11年に東日本大震災が発生。変わり果てた街の姿に言葉を失い「がく然とした」。自身も大きな余震や停電を自宅で体験し「あまりにも揺れるのでテレビを押さえたり。怖かった。チームメートの家がグチャグチャになってる写真も見せてもらった」。日米200勝達成を祝ってくれた小学6年生たちは、シーズン24勝0敗で楽天を日本一に導いた13年に生まれた。「もう震災を知らないフェーズになってきてる。意識が高まればいいな」と背中で示すことに意味があった。

 田中将と握手した小野寺遥瑠くん(6年)は「スター選手と訓練を真剣にできて、とても心に残った」と大感激。「何か一役買えれば」と長期的な活動継続を思い描く右腕も「ベストを尽くして、活躍しているニュースを一つでも多く届けられたら」と来季を見据えた。

移籍した今も、使命感は胸のど真ん中にある。(堀内 啓太)

編集部おすすめ